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写真:フロントローの宮崎達也。キャプテン不在のチームを引っ張った
今年は40年以上指揮をとった大西監督のラストイヤー。長年の夢である大学日本一を達成し、京産大を強豪に育て上げた大西監督に恩返しをするため、今期は非常に大事なシーズンだ。
しかし、彼らを待っていたのは試練の連続だった。春先こそ、同志社大学に勝利するなど、順当なスタートを切るも、6月の練習試合・日本大学戦でキャプテンの伊藤鐘平(札幌山の手・4)が足首を負傷。
長期離脱を余儀なくされた。絶対的支柱を失ったチームは7月の春季大会決勝で天理大学に惨敗。ショックは大きく、夏合宿では中央大学に敗戦。9月1日の公式戦開幕戦では、格下の関西学院大学に敗戦してしまう。
「見たことがないくらい、選手たちが冷めている。熱量が感じられない」(元木ヘッドコーチ)。日本一どころか大学選手権進出すら危ぶまれる状況に転落した。
しかし、赤紺軍団は苦しみながらもチームを立て直す。代理でゲームキャプテンを務める宮崎達也(伏見工・4)を中心として「京産のプライドを取り戻す」を合言葉に練習の意識から徹底して見直した。
食糧合宿ですき焼きを食し、一体感を強めた。悔しい敗戦からわずか6日後の公式戦第2節では、大阪体育大学に61-10で圧勝。
強みであるスクラム、モールで終始優位に立つ。ウイングの堀田礼恩(京都成章・2)がハットトリックを達成した。FW(フォワード)が前に出て、BK(バックス)が取りきる。京産ラグビーの復活を象徴する試合となった。
試合後、大西監督は「天理大に負けた7月から、夏合宿も含めて苦しい時間が長かった。そこからよく学生達が立ち直ってくれました。今日は少しでも前に出ようという気持ちが見て取れた。やっとスタートラインに立てました」とコメント。
その次の週には、立命館大学を下して勢いに乗る近畿大学と対戦。近畿大の武器であるショートパスを完璧に封じ、21-10で勝利した。
チームとして前半戦のヤマ場と認識していた相手に完勝。京産大は2勝1敗の3位で前半戦を終了した。
今シーズンはラグビーワールドカップ開催のため、9月15日から1か月半、公式戦が中断。そのため通常日程ならリーグ戦での復帰が難しかったキャプテンの伊藤鐘平が復帰し、練習に合流。
幸運も味方した形となった。大体大との練習試合ではLo(ロック)でスタメン出場。一時低迷するも、見事に調子を取り戻したチームにキャプテンが加われば、後半戦はさらなる飛躍が期待できる。
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