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トンガは花園で有終の美を飾る シアレ・ピウタウ主将、惜別のトライ ラグビーワールドカップ2019 アメリカ vs. トンガ
村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一「死のプール」と呼ばれたプールCは、イングランとフランスが決勝トーナメント進出を決めた。そして、プールC最後の戦いは、東大阪市花園ラグビー場で、10月13日、午後2時45分キックオフで行われた。対するのは、アメリカとトンガ。プール戦敗退が決まっている者同士の戦いだが、ラグビーワールドカップ(RWC)に意味のない試合など存在しない。自国のラグビーの将来のため、ひとつでも多くの勝利を目指すのだ。
キックオフ前の国歌斉唱では、トンガのキャプテンCTBシアレ・ピウタウの目から大粒の涙が流れ落ちた。この日が34歳の誕生日だったピウタウは、今大会で代表引退を決めている。トンガ代表として仲間と戦う最後の舞台に感極まった。筋肉の鎧をまとった屈強な選手が並ぶ両者の戦いは「フィジカル・バトル」とも言われた。しかし、トンガが中6日でこの試合を迎えたのに対し、アメリカは10月9日のアルゼンチン戦から中3日というハードなスケジュール。メンバーも3名を変更しただけ。アメリカの不利は否めなかった。
しかし、試合は拮抗する。立ち上がりはトンガが何度も攻め込み、トンガファンの多いスタンドを沸かせたが、反則やミスでチャンスを逸した。最初のトライは前半16分、トンガ陣からLOレヴァ・フィフィタがディフェンスを破ってアメリカ陣に入り、WTBヴィリアミ・ロロヘアにつなぐ。ロロヘアはハンドオフでタックルをかわして大幅ゲイン、ゴールラインに迫った。ここは止められたもののFWがしつこく密集サイドを突いて、最後はHOポーラ・ンガウアモがトライ。SHソネシ・タクルアのゴールも決まって、7-0とリードする。
アメリカも反撃。20分、WTBマルセル・ブラーシェの突進でトンガ陣に入ると、今大会初出場のFLマロン・アルジボーリがさらに前進。そこから連続攻撃を仕掛け、最後はNO8キャメロン・ドーランの片手でのパスが交代出場で入ったばかりのWTBマイク・テオに渡り、インゴール右中間に走り込む。SOのAJ・マギンティのゴールも決まり、7-7の同点。25分には、FBウィル・フーリーのロングパスを受けたテオが2つ目のトライをあげ、7-12と逆転。疲労困憊のアメリカの健闘でスタジアムは俄然盛り上がった。
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