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快勝した南アフリカ代表のヨハン・エラスムスHC(ヘッドコーチ)は「戦術や技術的なミスは多く出てしまったが、この試合のテーマだったフィジカルについて選手達はよくやっていたと思う。ラインアウトも良かったし、この大会で足りなかった一貫性も出せた」と評価した。
キャプテンのFLシヤ・コリシは「コーチ陣には強度とワークレートを要求されていたが、それは遂行できただろう。見映えはどうあれ、点を取ることが大事」とチームのパフォーマンスに満足した表情を見せた。
またエラスムスHCは、日本vs.アイルランドの試合が教訓になったかと問われると、「それは間違いない。プールAのその試合は我々にとってのイタリア戦だった。これはどちらのチームが進歩しているかが勝敗を分けたと思う。私たちはニュージーランドに負けたことで大きく学んだ」と答えた。
一方、予想外の大敗で悲願のベスト8進出がかなり厳しくなったイタリアのオシェイHCは、「今まで積み上げたことが全て崩れるような試合だった」。
「南アフリカに勝つためには、完璧にプレーしなければいけなかったし、その準備をして自信を持って臨んだ。前半に(PR2人を失うという)不測の事態があったが、17-3で後半に入った時までは、まだ何か食らいついていけると思っていた」。
「後半の入りもよく、ラインブレイクでスコアできるところだった。だが(レッドカードという)、極めて愚かなことが全てを終わりにした。選手達は最後まで気丈に戦ったが、この相手に14人で勝つのは不可能だ。その時点で試合は終わった」と声を詰まらせた。
また、オールブラックス戦を残すが「ベストな23名を選ぶにはあまりにも今日の試合のダメージが大きい。正直言葉が見つからない」と肩を落とした。
キャプテンのNO8パリセは、「17-3で折り返し、後半あの時にトライが取れていたら、もしかしたらなにかが起きたかもしれなかった。それがあのレッドカードでチャンスを失ってしまった」。
「この試合から、せめて何かを学んで未来に繋げないといけない」と語り、自信のテストマッチ出場142キャップ(元ニューイーランド代表リッチー・マコウに次いで2位)には、「個人のことはチームを前にしてはなんの意味もない」と厳しい表情を見せた。
快勝で総勝ち点を10とした南アフリカは、最終戦で10月8日(木)に神戸でカナダと対戦する。
イタリア代表総勝ち点は10だが、10月12日(土)の豊田での最終戦の相手は3連覇を狙うニュージーランド代表で、3位以内は確定したものの、決勝トーナメント進出はかなり難しくなったと言えよう。
文:斉藤健仁
【ハイライト動画】南アフリカvs.イタリア ラグビーワールドカップ
(c) Rugby World Cup Limited 2019
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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