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さて、一方の早大。初戦の日本体育大学戦では、前半2分に先制点を献上するなど立ち上がりが低調に。夏季に培ったスクラムやディフェンスは依然として良かっただけに、細かなミスや反則など課題の残る試合となった。
続く、青山学院大学戦では、試合の入りを克服。開始早々、連続で得点を重ねる。終始相手を圧倒する試合を展開し、失点を0に抑える大勝を挙げた。
そんな早大が、筑波大戦において求められることは何か。それはやはり、早大がチーム発足当初から取り組み続けている「ディフェンス」だろう。
「筑波大と慶大の試合では筑波大のBKのアタックがかなりよかったので、そこを前に出させないことが、BKとしてはキーポイント」と司令塔であるSO(スタンドオフ)岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)も分析する。
また、流れを一度でも相手に渡すことのないよう、セットプレーを安定させることや、ペナルティの少ない丁寧な試合運びも重要になってくるはずだ。
さらに、「自分たちがやってきた『早稲田クオリティー』を見つめ直すこと」にこだわりたいとSH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)は語る。
相手に合わせる部分はもちろんあるが、あくまでも立ち返ってフォーカスするのは自分たち自身である。
苦い試合だったが、自分たちのやるべきことが浮き彫りになった日体大戦から、改善された試合内容で修正力を示した青学大戦。
筑波大戦ではそれをさらにブラッシュアップさせた自分たちのラグビーをすれば、自ずと勝利は見えてくるに違いない。
後半に控える成蹊大学、帝京大学、慶大、明大との対戦に向けて弾みをつけたい早大。対抗戦のダークホースとなりうる筑波大に勝って、勢いをここで止めてほしい。
慶大vs.筑波大の試合からもわかるように、ノーサイドの笛が鳴る最後の瞬間まで勝敗はわからない。接戦が予想される次戦。最終盤の攻防に競り勝つためには、80分間通して『早稲田クオリティー』を実践し続ける集中力が要求される。
今年の早大は、筑波大に負けないタレントぞろいだ。悲願の日本一に向けて躍動する早大フィフティーンから目が離せない。
文:山口日奈子/写真:涌井統矢(早稲田スポーツ)
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