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ラグビー コラム 2019年8月11日

ワラビーズが歴史創った!宿敵オールブラックスに記録的快勝。ザ・ラグビーチャンピオンシップ2019

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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ザ・ラグビーチャンピオンシップ2019最終戦(第3節)

▼オーストラリア×ニュージーランド
▼ザ・ラグビーチャンピオンシップ2019最終戦(第3節)/オプタス・スタジアム(オーストラリア、パース)
▼オーストラリアが宿敵ニュージーランドにチーム最多得点、最多得点差タイで歴史的快勝。

オーストラリア代表“ワラビーズ”が歴史を創った。

宿敵ニュージーランド(NZ)代表“オールブラックス”と、豪州西海岸のパースで対戦し、対NZのチーム最多得点、勝利の最多得点差タイで快勝した。

南半球4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ(TRC)」の最終戦で相まみえた1勝1敗(勝点4)のオーストラリアと、1勝1分(勝点6)の2位ニュージーランド。

オプタス・スタジアム(パース・スタジアム)は2018年の開場以来最多となる6万1241人が集結し、伝統の定期戦「ブレディスローカップ」の第1戦も兼ねるビッグマッチに酔いしれた。

序盤からワラビーズは好調。自陣から積極的にボールを保持してNZを攻め立てた。

一方のオールブラックスはハイタックルなど、反則が多発。しかしNO8キアラン・リード主将がジャッカルなど好プレーを連発してピンチを脱出する。

しかし前半6分、オーストラリアはSOクリスチャン・リアリーファノのPG(ペナルティゴール)成功で3点先制。
さらに前半9分の攻守交代直後、NZのインターセプトを狙ったディフェンスが外れたこともあり、左隅でCTBジェームズ・オコナーが突破。

オフロードパスを受けたこの日絶好調のWTBリース・ホッジが独走し、最初のトライを奪った。10-0

しかしNZも反転攻勢。敵陣でアタックを続け、右大外でCTBジャック・グッドヒューが無人スペースへキック。これを追いかけていたCTBアントン・レイナートブラウンが混戦のなかでグラウンディング。ゴール成功で7点を返した。10-7

さらに後半16分、攻守交代に強いオールブラックスは、相手のノックオンから即座にボールをFBボーデン・バレットへ。

左隅でランナーのHOデイン・コールズがゲインすると、最後はWTBリーコ・イオアネが左隅に逆転トライ(ゴール失敗)を決めてみせた。12-10

一方のワラビーズは、10次攻撃以上のアタックを何度も続け、NZを攻め立てる。前半27分にはSOリアリーファノによるPG成功で13-12と逆転。同31分にはスクラムでこの日初めてPKを奪取した。

ここで転機が訪れた。

前半終了間際、FLアーディー・サヴェアの不行跡があって自陣へ下がったNZ。

直後の前半39分、LOブロディー・レタリックの怪我により先発チャンスを与えられていたLOスコット・バレットが、相手主将のFLマイケル・フーパーの頭部へショルダーチャージ。

フランス(ポー)出身のジェローム・ガルセス レフリーは、レッドカードを提示。ガルセス レフリーはワールドカップ(W杯)日本大会プールステージで、NZ×南アフリカを担当するレフリーだ。

LOバリットは退場となり、ここで得たPKでワラビーズはショット成功。16-12として後半へ。NZは後半40分間を14人で戦うことになった。

なおスコットの兄であるFBボーデン・バリットは試合後、現地メディアに「彼(弟)はダーティーなプレイヤーではないし、彼もそれを知っているだけに、彼は自分自身にがっかりしている」とコメントした。

14人になった後半のNZは劣勢が続いた。

後半6分にはパスも巧みなオーストリアのLOロリー・アーノルドから、LOラカン・サラカイア=ロトがパスを受けて左隅にトライ(ゴール失敗)。21-12。

さらに直後にノーホイッスル・トライ。

オーストラリアは自陣からボールを積極展開し、サントリー加入が決まっているCTBケレビが左隅でFBバリットを吹き飛ばし、フォローしていたSHニック・ホワイトがトライ(ゴール失敗)。26-12

しかし14人ながらその後2トライしたオールブラックスは、流石のひと言だろう。

後半15分には23次攻撃の末にFBバリットが内側を切り裂いて片腕一本のトライ(ゴール)。
NZは後半21分にフォワードのように働いたオーストラリアのWTBマリカ・コロインベテ、同28分には絶好調のWTBホッジにトライを許した。ここでゴール成功が決まると、オーストラリアは対NZのチーム最高得点を更新。(40得点)

しかしNZはキックオフ直後に途中出場のンガニ・ラウマペが感激を突いて独走。ノーホイッスル・トライで40-26と追いすがる後半2トライを挙げ、意地を見せた。ところがオーストラリアは後半38分。
敵陣でスペースへ走り込んだFBカートリー・ビールに、途中出場のSHウィル・ゲニアがパスを通してダメ押しのトライ。スコアを47-26で終え、対NZの最多得点差勝利(21点)にも並んだ。

確かに後半のNZは14人だったが、オーストラリアのこの日のPK数は4(NZは8)、セットプレーも安定。CTBケレビ、WTBコロインベテなど個々の活躍も光り、宿敵を圧倒した。

なおTRCの王者は、アルゼンチンに勝利した2勝1敗の南アフリカ。TRCは初優勝で、3か国だったトライネーションズ時代を含めると、2009年大会以来10年ぶりの頂点となった。

これでNZが16年連続で保持するブレディスローカップの奪還へ、オーストラリア国民の期待はいよいよ高まるだろう。ブレディスロー第2戦(最終戦)は8月17日(土)、ニュージーランドのオークランドで開催される。

「W杯に強い」といわれるオーストラリア。W杯の勝率は81.25パーセント(39勝9敗)で、第1回大会からの参加国では、NZ(勝率88パーセント)に次いで2位となる。W杯へ向けて、ゴールドジャージーの輝きが増してきた。

【ハイライト】オーストラリア vs. ニュージーランド ザ・ラグビーチャンピオンシップ2019

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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