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ラグビー コラム 2019年7月30日

ラグビーの街・釜石に笑顔があふれた! 日本がフィジー相手に会心の勝利

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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パシフィック・ネーションズカップ 日本 vs. フィジー ハイライト

「キックはできるだけ使いたくなかった」(ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ)。ボールを持たせれば危険なランナーが多いフィジーの特長を封じる作戦である。しかし、12分、フィジーの猛攻に耐え、相手陣にボールを蹴り込んだところからカウンターアタックを仕掛けられ、CTBレバニ・ボティアにトライを奪われる。日本が恐れていた失点だ。嫌な流れになりそうだったが、日本代表はプラン通り、ボールを継続保持して攻め続けることに徹した。

19分のトライは見事。フィジーのゴール前に攻め込み、CTB中村亮土の突進でラックを作り、SH茂野海人が右に行くと見せて、WTB松島幸太朗が内側に切れ込んでトライ。鋭角的に斜めに走りながら最後に縦にコースを変える松島の非凡さが際立つトライだった。23分のCTBラファエレ ティモシーのトライも意図的だった。ラインアウトのロングスローを松島がキャッチして前進し、左方向への連続アタックの後、右方向へ。CTB中村亮土、SO田村優とボールが渡って田村が右タッチライン際のNO8アマナキ・レレイ・マフィにロングパス。マフィはまっすぐ走りながらタックルを受ける寸前に右手一本でタッチライン際のHO堀江翔太へパス。堀江はタックラーを一人かわして左側に走り込んできた松島へ。松島からボールはさらに左にいたラファエレへ。ディフェンスを翻弄するトライだった。

日本代表のトライはすべて意図通りにディフェンスを崩していた。FL姫野和樹を左に、マフィを右タッチライン際に配置し、トンプソン、初キャップのLOジェームス・ムーア、両PRらがフィールド中央で働く。幅広い攻撃を、茂野、田村、中村の好判断と正確なスキルがコントロールした。宮崎合宿で入念に鍛え、選手同士が何度も話し合った成果だった。一方、ディフェンスではモールから簡単にトライを許すなど課題は多かった。自陣で反則してしまう規律の乱れも気になるところ。しかし、攻守の切り替えは素早くできていたし、課題を収穫が上回った気がする。

重いフィジーFWに対してスクラムは安定し、後半、木津悠輔、三浦昌悟という若いPRが入ったときも安定していた。ゲームキャプテンを務めたFLピーター・ラブスカフニが前半33分に膝を痛めて退場したことは心配だが、代わってリーチ マイケルが投入されるところに層の厚さを感じる。先発陣のパフォーマンスの良さに、試合後のリーチは「このままだったら、僕はリザーブ(控え)になる」と危機感を口にしていた。

最終スコアは、34-21(前半29-14)。ラグビーワールドカップ日本大会開幕まで約50日。準備に奔走するスタッフほか、大会の成功を祈るすべての人々の気持ちを明るくした点で、この勝利の価値は計り知れない。8月3日のトンガ代表戦で、さらに日本ラグビーを勢いづけてもらいたい。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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