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NZの1点リード(7-6)で迎えた後半。
南アフリカは鉄壁とも言える堅守を見せ、NZの猛攻を止め続けた。
しかし試合巧者のNZは後半9分、FBバリットがPGを成功(10-6)。
ただFBバリットは後半13分、相手のスクラム・コラプシングによるPGが不成功。この日はキックが不調で、終盤はSOモウンガがキッカーとなった。
後半20分を過ぎてもDFスピードが落ちない南アフリカ。後半21分にはSOポラードのゴール成功で1点差(10-9)に詰めた。
しかし南アフリカに反則が増え始め、NZのSOモウンガが後半27分、35分にPGを連続成功。
NZのリードは7点差(16-9)。1トライ1ゴールで同点という状況に。
逆転の契機は後半37分のスクラム。南アフリカはマイボールスクラムを押しきってPK獲得し、敵陣へ侵入した。
右10mラインアウトのチャンスを得ると、南アフリカが敵陣で連続攻撃。先週代表デビューしたばかりのSHヤンチースが配球しながら、アタックを続ける。
順目に攻撃を続けると、右スミでボールをもらったWTBコルビがショートパント。
追いかけた途中出場のSHヤンチースが、こちらも途中出場のアーロン・スミスとハイボールを競り合い、ファンブルしたボールを保持したのはSHヤンチース。歓喜のジャンピングトライで雄叫びを上げた。
ビデオ判定の結果トライが認められて2点差に(14-16)。先週のデビュー戦でいきなり2トライを記録した23歳のワンダーボーイが、ふたたび大舞台で結果を残した。
残り時間数秒で、コンバージョンキックを蹴り込むのはSOポラード。右中間22m付近の難易度の高い角度だ。
しかしSOポラードが冷静にHポールにキックを通し、劇的な同点決着。
過去98試合目でわずか3度目しかなかった同点決着。南アフリカは第2節を終え、勝ち点7で首位に立った。
一方のNZは2位(勝ち点6)となり、TRCの優勝争いは混沌としてきた。
今回は同点だったが、はたして次回は。熱いライバル対決は、ワールドカップのプールステージで実現する99度目の対戦に持ち越されることになった。
ザ・ラグビーチャンピオンシップ2019
【ハイライト】ニュージーランド vs. 南アフリカ
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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