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スーパーラグビー2019 準決勝-2 クルセイダーズ vs. ハリケーンズ ハイライト
同日、行われたもう一つの準決勝は、NZラグビーのエキスの詰まったハイレベルの攻防になった。前半2分、クルセイダーズはSOリッチー・モウンガのPGで先制。13分には、ハリケーンズ陣へのハイパントを追ったWTBジョージ・ブリッジが相手と競り合いながらクリーンキャッチし、すぐにボールを動かして、CTBライアン・クロッティが右タッチライン奥のスペースに正確にキック。これをWTBセヴ・リースが俊足を飛ばして追い、拾い上げてトライ。10-0とリードを広げた。
ハリケーンズも前半終了間際、CTBンガニ・ラウマペがトライし、後半開始早々にもWTBベン・ラムのトライで、13-12と追い上げる。NZラグビーが得意とするのは、相手のミスなどで起きたアンストラクチャー(組織化されていない状況)からトライを奪うスタイルだ。アンストラクチャーが起きるまでは辛抱強くディフェンスする。その息詰まる攻防が、この試合では80分続いた。
後半18分、クルセイダーズがリースのトライで27-19とすると、その直後、ハリケーンズがペレナラのトライで27-26とする。モウンガのPGで30-26となった残り8分も、ハリケーンズが攻め続け、クルセイダーズが辛抱強くディフェンスするシーンが続いた。トライ数はハリケーンズが「4」で勝ったが、クルセイダーズはモウンガが3トライ後の3ゴール、3PGを完璧に決めた。ハリケーンズは1ゴール、1PGを外しており、キックの正確さが明暗を分けたことになる。
最後はハリケーンズがペレナラのノックオンでチャンスを逸し、その後、ノーサイドとなった。ゴール前に攻め込んだブレイクダウン(ボール争奪戦)からボールを出そうとしたペレナラ。そのボールを奪おうとしたクルセイダーズLOサム・ホワイトロックの手がボールに触れていたからこそのノックオン。反則すれすれにも見えた。しかし、ペレナラは何も言わず天を仰いだ。その表情に、ぎりぎりの攻防を繰り広げた者同士の尊敬や誇りを感じる好勝負だった。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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