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ラグビー コラム 2019年5月28日

大混戦が続く南アフリカカンファレンス、サンウルブズは今季最後のホームゲームをブランビーズと戦う。スーパーラグビー第16節プレビュー

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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ラミロ・モジャノ

ワラターズを下したジャガーズのWTBラミロ・モヤーノ

スーパーラグビー2019は今週末、第16節の7試合が行われる。レギュラーシーズンは残すところ、あと3節。プレーオフ進出枠の8チームを巡る戦いは最終局面だ。総合首位はニュージーランド(NZ)カンファレンスのクルセイダーズ。前節はNZのブルーズに苦戦したが、SOリッチー・モウンガのPGで振り切って10勝目をあげた(スコアは、19-10)。勝ち点は唯一50点台に乗せる「53」で独走している。NZ2位のハリケーンズは前節試合がなく、勝ち点は「40」のまま。3位のハイランダーズは29点で、NZカンファレンスは、上位2チームしかプレーオフに進出できない可能性が出てきた。

大混戦が続くのは南アフリカカンファレンスだ。アルゼンチン代表選手でメンバーを固めるジャガーズは、前節、オーストラリアのワラターズを23-15で下し、南アフリカの首位に躍り出た。オーストラリア代表選手を多数含むワラターズに対し互角以上の勝負を繰り広げ、FBエミリアーノ・ボフェリが16回のボールキャリーでWTBラミロ・モヤーノのトライを導くなど、BKの活躍もあって、決定力はワラターズを上回っていた。ディフェンス面でも11回のターンオーバーに成功し、たしかな実力を示した。

ジャガーズの勝ち点は「36」。2位シャークス「33」、3位ブルズ「32」、4位ライオンズ「30」、5位ストーマーズ「30」と6点差の中に5チームがひしめく大混戦だ。ジャガーズは、第16節でオーストラリア4位のレッズと戦うが、レッズはプレーオフ進出が難しく、モチベーションの面でも現在のチーム力でもジャガーズ優位だろう。シャークスはホームのダーバンでハリケーンズを迎え撃つ。ライオンズとストーマーズの南アフリカダービーもあり、勝ち点差が開くことになるのか興味深い。

ヘイデン・パーカー

レベルズ戦のヘイデン・パーカー(ヒトコム サンウルブズ)

サンウルブズのいるオーストラリアカンファレンスは、1位ブランビーズ「34」、2位レベルズ「33」が抜け出しつつある。5月31日、メルボルンで行われるレベルズ対ワラターズでは、崖っぷちのワラターズがどんな戦いを見せるのか、見逃せないカードだ。そして、サンウルブズは秩父宮ラグビー場でブランビーズと戦う。前節は、レベルズに7-52の完敗。プレーオフ進出を目指して負けられないレベルズのすさまじいプレッシャーに、ミス、反則を連発してしまった。スクラムも圧力を受けており、そのあたりが、どこまで改善できるのか。

また、レベルズ戦のメンバーからPR山下裕史、LOトンプソン ルーク、FLラーボニ・ウォーレンボスアヤコ、NO8ツイ ヘンドリック、SH茂野海人が抜けた。5月27日には、追加招集スコッドとして、HO北出卓也、LO大戸裕矢、長谷川崚太の名が発表されている。当初の予定では日本代表候補選手がスーパーラグビーの終盤に大量に合流して戦う予定だったはずだが、負傷者の続出によって合流したのは試合数の少ない最小限の選手にとどまり、最終的にサンウルブズから日本代表候補選手が抜ける事態になっている。

相手はオーストラリアカンファレンス首位ブランビーズだ。プレーオフ進出に負けられないのは、レベルズと同じ。その相手に立ち上がりで飲み込まれては再び大敗の可能性もある。キックオフ直後からアグレッシブに攻めたい。今季最後のホームゲームである。出場選手は、応援し続けてくれるファンのために懸命に戦うだろう。意図的なトライでスタンドを盛り上げ、選手とスタンドが一体になった戦いを見せてほしい。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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