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対する明治も、SH福田健太キャプテン(4年)を軸に展開力があり、突破力あるWTB橋汰地(4年)、CTB射場大輔(3年)、FB山沢京平ら決定力ある選手が並ぶ。FWにも、LO箸本龍雅(2年)、FL井上遼(4年)、NO8坂和樹(3年)らボールを前に運べる選手が多く、真っ向勝負で天理のディフェンスを崩したい。勝利のカギになるのはセットプレーの安定。とくにスクラムでは天理にプレッシャーをかけたい。PR安昌豪(3年)、HO武井日向(3年)、PR祝原涼介(4年)のジュニア・ジャパンのFW第一列を中心に後ろ5人とのまとまりで、低くプッシュしてくる天理に対抗したい。ラインアウトは、190cmのLO片倉康秀瑛(2年)がプレッシャーをかけるだろう。
明治の福田健太キャプテンは前日練習後、決勝戦のキーポイントを「ディフェンスです」と話し始めた。「我慢だけでは相手にプレッシャーがかからないので、ボールを奪いに行くディフェンスがしたいです」。明治は早朝にメンバー外の選手が練習。4年生が後輩たちに熱いメッセージを送ったという。「今年の4年生はネガティブな発言をする選手はいない。日本一になるチームだと思います」(井上遼)。まさにチーム一丸となって優勝を目指す。
天理の小松節夫監督は準決勝で帝京を破った直後も、「日本一を目指してチームを作ってきましたので」と冷静だった。春と夏の練習試合では明治に勝っている。「うちのチーム力をいかに出すかがポイント」。監督の言葉に続き、島根一磨キャプテンは「自信の持てるところで勝負したい」と話した。明治に対して天理がどんな攻撃を仕掛けるのかも興味深い。
互いにバランスのとれた好チームである。相手のいないスペースにボールを動かし、仕掛け合い、激しくぶつかり合う質の高い試合になるだろう。どちらが勝つにしても、平成最後の大学王者を決めるにふさわしい戦いを繰り広げてもらいたい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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