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気づいた人も多かったかもしれないが、松山キャプテンは、決勝も含めて花園大会中、濃紺ではなく、ひとりだけ、少し色あせたヘッドキャップをかぶって試合に出場していた。
大阪桐蔭は兄が同校ラグビー部に在籍していた選手が多いのが特徴で、松山キャプテンは3兄弟の末っ子。
昨シーズンはともにプレーした次兄・SH(スクラムハーフ)将輝(現・近畿大学1年)、長兄・WTB元太(現・大阪体育大学3年)も同校ラグビー部に在籍していた。
松山キャプテンは、練習では次兄のヘッドキャップを、試合では長兄のヘッドキャップをかぶり、2人の兄の思いも背負って決勝に臨んでいたというわけだ。
松山は「花園が始まる前から(兄2人と)日本一になって、嬉し涙を流すと約束していたので、それができた」と安堵した表情を見せた。
最後に、松山キャプテンは「明日から新しいチームになると思うが、後輩たちにはしっかり花園を目指して頑張ってほしい」と1・2年生にエールを送った。
昨シーズンは決勝で涙を呑んだが、松山はキャプテンとして仕事をまっとうし、自分たちの代で「白い旋風」大阪桐蔭の歴史を変えて、最高の形で高校3年間を締めくくった。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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