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後半、早大は敵陣で攻める時間帯が続く。開始早々には14フェーズを重ね、その後も負傷者で1人欠きながらも37フェーズも攻め続けた。しかし、崩せない。
「ディフェンスが本当に堅かった」(PR/プロップ小林賢太、スポ1=東福岡)と振り返る通り、目の前に立ちはだかる分厚い紫紺の防御網を崩せなかった。
すると20分、自陣ゴール前で明大ボールのセンタースクラムを迎える。前回対戦時はまさにこの状況から流れを呼び込んだ状況。
しかし、この試合ではピックアンドゴーでFW(フォワード)に押し込まれて、インゴールにねじ込まれてしまった。
13-24と点差を広げられたが、早大も23分にCTB桑山淳生(スポ3=鹿児島実)が反撃のトライを挙げ、すぐに4点差に詰め寄る。
その後は、34分、明大に34フェーズにわたる連続攻撃を攻め切られてインゴールを明け渡すが、38分には早大も16フェーズを重ねて、最後はWTB佐々木尚(社4=神奈川・桐蔭学園)がトライ。
再び、4点ビハインドでラストワンプレーを迎えた。自陣奥深くから、ゲインラインを切り続け、敵陣まで攻め込む。もう一度あのときの歓喜の再現へ――。
着々とフェーズを重ねるが、17フェーズ目、PR千野健斗(人4=東京・成蹊)の手からボールがこぼれた。そのまま蹴り出されて、試合終了。創部100周年の節目のシーズン、『荒ぶる』へはあと2つ届かなかった。
「個人としては完敗かなと思っています」(岸岡)。4点差での敗戦だったが、ゲームキャプテンを務めた司令塔は明大との差を痛感していた。
我慢強さ、そしてスローガンに掲げた『Moving』を体現できなかったことが、明大にリベンジを許した要因として選手たちから口々に挙げられた。
シーズンを通し、課題となっていた攻守における我慢強さが最後まで響く形となった。
その一方、今季のチームは大きな成長を遂げたのも事実。相良監督も「山を登るように1試合1試合成長を積み上げてここまで来られた」と、今季のチームの成長ぶりを評価した。
死闘となった準々決勝を制し、5年ぶりに『年越し』を果たしたことがそれを物語っているだろう。
「もうこんなに悔しい思いはしたくない」(LO/ロック下川甲嗣、スポ2=福岡・修猷館)。この悔しさを胸に。来季の『荒ぶる』へ向けた挑戦は既に始まっている。
文:新開滉倫/写真:小田真史、千葉洋介(早稲田スポーツ)
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