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日本代表はどんな相手にも周到な準備をして臨まなければ勝つことは難しい。過去のラグビーワールドカップ(RWC)で何度も思い知らされてきたはずなのに、またしても再確認させられる戦いだった。
過去8回のRWCで日本代表が大量リードを奪って勝ったのは、1991年のジンバブエ戦だけだ。それ以外、勝てると思われた相手に敗れ、あるいは引き分け、苦汁をなめてきた。緻密な準備で3勝をあげた2015年大会でも、サモア、アメリカに容易く勝てたわけではない。ヨーロッパの中堅チームであるロシアは、6月に快勝したジョージアよりは格下という意識があり、日本代表選手たちからも「次にやっても勝てないと思わせたい」など快勝しなくてはいけないという言葉が聞かれた。試合は、その言葉通りの戦いをして苦しむことになった。
11月24日、日本代表の欧州遠征最終戦はイングランドのグロスターで行われた。雨を含み、ぬかるむ芝はスピーディーなラグビーには不向きだったが、日本代表はロシアのキックをキャッチしては自陣からボールを動かして攻め、ミスや反則で自陣にくぎ付けになった。SHからのハイパントを多用し、ディフェンスで徹底してプレッシャーをかけるロシアのシンプルな術中にはまったのだ。
前半は、ロシアに3本のPGを連続で決められた後、自陣から切り返そうとしたパスをインターセプトされ、0-16とリードを奪われる。前半24分、SO松田力也のPGで3点を返し、30分、FLリーチ マイケルがロシアのゴールに迫ったところでのPKから突進して10-16とする。しかし、その後も日本はロシアのハイパント攻撃に苦しみ、2PGを追加され、10-22とリードを許したまま前半を終えた。
本来であれば、前半のうちにプランを切り替え、エリアを重視しながらロシアの屈強な選手たちを後ろに走らせ、その勢いをまともに受けない工夫が必要だった。ボールを展開するにしても、縦に強いプレーを織り交ぜなくてはいけなかったが、日本代表は早めにワイドに展開してはロシアのプレッシャーを受けた。何をやっても上手くいかず、パニックに陥っているようにも見えた。
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