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現在、6戦全勝で関東大学ラグビーリーグ戦1部の首位を走る大東文化大学。ラグビーファンの間で大東文化の強みとして真っ先に挙がるのは、重量級FW(フォワード)による圧巻のスクラムだろう。
昨年度から、他大学を圧倒するスクラムを見せつけるようになった大東文化。しかし、それ以前まではセットプレーよりもアタックで観客席が沸くことが多かったはずだ。それがなぜ、スクラムが新たな強みとして挙がるまでになったのか。
今回は、大東文化のスクラムコーチを務める木川隼吾さんに、スクラム強化のために行った取り組みについて、そして選手間で生まれた『変化』について、話を伺った。
◆コーチ就任以後の取り組み
2016年の夏ごろに就任した木川さんは、まず“基礎の徹底”に取り組んだ。「コーチ就任当初の大東は、スクラムを黙って組んでいた」と振り返る木川さん。
「不満を言うのではなく選手同士で問題を見つけ、それを解決するためにどうすればよいかを話し合えば、1つ上のステップに進めるのでは」と、選手たちに積極的なコミュニケーションを取らせるようにした。
もう1つの基礎は、自分の中で強い姿勢が何かを知り、実際にできるようにすること。
「スクラムは突き詰めると単純になり、無駄な動きを省くと強くなる」。強い姿勢を取れればスクラムで余計な体力を消費せず、フィールドプレーにも影響を及ぼさないという。
1人でとれるようになったら複数人で組ませ、最終的には8人で組んでも強い姿勢をとれるようにした。「8人が、強い姿勢から何まで共通認識をもって組む」ことを徹底させた就任1年目、大東文化は相手にスクラムで押されることがなくなった。
相手に押されなくはなった一方で、『押せなかった』スクラムを踏まえ、木川さんはコーチ2年目を迎えた昨年度最初のFW練習で、「今年はスクラムを武器にしよう」と選手たちに伝えた。
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