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敗れたトヨタ自動車のホワイト監督は「非常に残念に思います。トヨタが4トライ、サントリーが3トライ、本来ならトヨタが勝つべき試合でした。我々のモットーは『ノー・エクスキューズ』なので、言い訳はいっさいありません」。
「本当に勝つチャンスがあった。ただ最後の3分のところで、ラインアウトのボール失ったのは大きな痛手でした。誰のせいでもないと思います」と肩を落とした。
ただ、6人の先発がデビューしたことに関して、ホワイト監督は「6人がルーキーということで、非常に若いチームで、この試合戦いました。(21歳の)FLシュネル・シンも初めてトップリーグ出場で、(主将)姫野も2年目ということで、このチームはトップリーグの中で平均年齢が1番若いチームだと思います」。
「王者に対して我々は敗れましたが、またサントリーと戦うことが必ずある。ルーキーたちはタフなレッスンとなり、今回の試合で学んだと思います」と先を見据えた。
悔し涙を見せながら、答えていた姫野主将は「昨季(の開幕戦)とまったく同じような形で、逆転を許してしまった。悔しいですけど、最後の最後でイエローカード出されてしまって、チームを窮地に立たせてしまった」。
「でも、最後はチームのみんながすごく誇らしくて、僕がいなくてもあれだけ頑張ってくれて、僕の分をカバーしてくれてすごく誇りに思いました。これから、この負けを忘れることなくトップリーグを戦って、ファイナルでサントリーと当たれるようにチームとしてやっていきたい」と力強く語った。
サントリーの沢木敬介監督は「スキルレベルは低いレベルでしたが、展開的にはおもしろい内容でした。1試合1試合、難しくなることわかっていたのですが、どこかに隙があって、自分たちがやろうとしているレベルで、なかなかプレーできなかった」。
「まだまだ、丁寧さなどにこだわりながらやっていかないといけないと勉強になりました。最後にスクラムでいいプレッシャーかけられた。(スクラム担当コーチの)青木(佑輔)は相当喜んでいました」と試合を振り返った。
先発した新人3人の評価に関しては「良いから使っているだけで、競争に勝って、(ポジションを)獲得したからで、新人だからではなくて、いいパフォーマンスをしたのでゲームに出ています。間違いなく(3人は)日本代表にならないといけない選手たちです」。
「(でも)まだまだですね。堀越はスクラムで経験を積めばもっとよくなりますし、(MOMを受賞した)梶村ももっと周りの選手とのコネクションだったり、コミュニケーションだったり、1試合1試合、高いレベルで試合する中で勉強していくことだと思います」と評価しつつも、苦言を呈することを忘れていなかった。
流主将は「前半、22m内に進入する回数が多かったが、そこで取りきれなかったことが反省というか、僕自身のコトンロールできなかったし、課題です」。
「自分たちの目指すレベルじゃないので、そこを改善すること。前半途中も後半途中ももっとチームになって、きつい選択をしないと、こういう展開になるとすごく勉強になりました」と反省の弁を口にした。
しかし、最後の20分で15点差を逆転し、勝利したことに関して流主将は「最後はしっかりまとまって、こっちが動けていたのは、日頃の練習の成果だと思いますので、それを自信にしたい」。
「毎週、僕らだけをターゲットにしてくる相手ばかりとの対戦だと思うので、次節はNTTコミュニケーションズ戦ですが、コンディション含めて、いい準備をして勝ちたい」と胸を張った。
16年目のトップリーグ開幕節の注目カードは、「アタッキングラグビー」を標榜する王者サントリーが、15点差になってもあきらめることなく攻めの姿勢を続けて、逆転勝利を収めた。
一方、フィジカルラグビーが持ち味のトヨタ自動車も若いメンバーが多く、可能性を十分に感じさせる試合となった。
第2節、連覇を狙うサントリーは9月7日(金)、東京・秩父宮ラグビー場でNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと対戦する。
一方、連敗は何としても避けたいトヨタ自動車は8日(土)、秩父宮ラグビー場で、同じく開幕節で惜敗したNECグリーンロケッツと相対する。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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