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アルゼンチンから唯一参戦しているジャガーズは、ほぼアルゼンチン代表メンバーで戦い続け、1年目(2016年)は4勝11敗、2年目は7勝8敗、そして、今年はここまで5勝5敗、初のプレーオフ進出に向けてさらに勝ち星を増やしそうだ。2015年のラグビーワールドカップでベスト4入りしたアルゼンチン代表の主力が揃っても、プレーオフ進出が難しい。スーパーラグビーのレベルの高さ、移動距離が長く、毎週末に試合が続くタフさを痛感する結果だ。サンウルブズが苦しむのも当然なのだが、メンバーの多くが2019年のラグビーワールドカップでプレーする可能性が高いことを考えれば、強化の速度を速めなければならない。今季の残り試合でも、優勝争いに影響を与える存在であってほしい。
AUSカンファレンスは、11節終了時点で、5勝2敗1分けのワラターズ(勝ち点24)がトップ。4勝5敗のレベルズが追いかける(勝ち点21)。ワラターズは、12節からブルーズ、クルセイダーズ、ハイランダーズ、チーフスというNZ勢との4連戦があり、この結果によっては大きく順位を下げるかもしれない。ライオンズに勝ったレッズは、20歳の新鋭SOハミッシュ・スチュワートが抜群のスピードで防御を切り裂いたかと思えば、スクラムで圧力をかけてジョージ・スミス(37歳)がトライを奪うなど、若手とベテランがかみ合い、調子を上げている。5月12日は秩父宮ラグビー場でサンウルブズとの対戦だ。レッズとしては、勢いをつけて14節のハリケーンズ、15節のハイランダーズというNZの上位にチャレンジしたい。
プレーオフ進出枠は、各カンファレンス1位の3チームと残りはカンファレンスに関係なく勝ち点上位の5チームだ。NZカンファレンスのチームが4チーム進出の可能性もあるが、今後カンファレンス内で星をつぶし合う可能性もあり、SA、AUSの2位以下にもチャンスはありそうだ。レッズもまだまだ可能性がある。
統計数値で見ると、SAカンファレンスのライオンズがトライ数以外でも、ボールを持って進んだ距離(4,386m)、ディフェンス突破(288回)で15チーム中1位。タックル成功率は、ハイランダーズ(86.3%)、クルセイダーズ(85.1%)が2トップ。この数字だけでは判断できないが、質の高いプレーを続けているのは事実で、この3チームの戦いぶりを軸に見てくと、優勝争いを楽しめるだろう。8チームによるプレーオフは、7月21日:準々決勝、28日:準決勝、8月4日:決勝戦の予定で行われる。レギュラシーズンは、残すところ8節(12節~19節)、プレーオフ進出争いもこれからが本番だ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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