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ピックアップ コラム 2021年9月21日

【クライミング世界選手権レビュー】スピード

クライミングコラム by 植田 幹也
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スポーツクライミングの大会の中でも毎年数戦開かれるW杯とは異なり、2年に1度だけ開催される最も格式のある大会が世界選手権です。そんな世界選手権が現在モスクワで行われていて、先日の東京五輪で活躍したトップ選手から2024年のパリ五輪を目指す次世代のスターまでが集まり熾烈な戦いを繰り広げています。また、五輪のコンバインド種目とは違いスピード・ボルダリング・リードのそれぞれで単種目のチャンピオンを決めます。

3種目の中で一番初めに行われたのはスピードです。9月16日(現地時間)に開催され、男女それぞれ予選タイム上位の16名が決勝トーナメントに進みました。

ダニル・ボルドィレフ(ウクライナ)

男子はW杯ランキング首位のレオナルド・べドリックら強豪が揃うインドネシア勢が欠場。また東京五輪で最速を誇ったものの負傷してしまったバッサ・マウェム(フランス)の不在などもあり、混戦が予想されました。そんな中、運も味方につけトーナメントを最後まで勝ち上がったのは2014年大会の覇者であるベテランのダニル・ボルドィレフ(ウクライナ)でした。初戦を0.005秒の僅差で競り勝つと、準々決勝、準決勝は共に相手のミスにも恵まれ決勝に進出します。決勝はエリク・ノヤ・カルドーナ(スペイン)相手に横綱相撲で堂々と勝ち切り、4大会ぶりに王座に返り咲きました。

【ハイライト】男子スピード 決勝

IFSC クライミング世界選手権 2021

ナタリア・カルッカ(ポーランド)

女子は先日の東京五輪で6.84秒の世界新記録を打ち立て、世界選手権も2連覇中のアレクサンドラ・ミロスラフ(ポーランド)が大本命でした。ミロスラフは決勝トーナメントの初戦、準々決勝と7秒前半のタイムで順当に勝ち進むと、準決勝では同じポーランドの若手であるナタリア・カルッカと当たります。持ちタイムでも経験値でも勝るミロスラフはここも難なく制すかと思いきや、中盤でフットホールドを上手く踏み切れず痛恨のスリップ。”ノーミスの女”との異名もあるミロスラフがまさかの失速となり、この勝負はカルッカに軍配が上がります。カルッカは続く決勝でも東京五輪出場の実力があるユリア・カプリナ(ロシア)との対戦となり、2戦連続で格上選手と当たりましたが、ここでもカプリナがまさかのスリップ。トーナメントの最後の2戦で共に相手のスリップがあったとは言え、ラウンドを通じて動じずに着実な登りを貫いたナタリア・カルッカが優勝。カルッカはW杯と世界選手権を通じて初の頂点に立ち、クライミング界に新星が誕生しました。

文:植田幹也

【ハイライト】 女子スピード 決勝

IFSC クライミング世界選手権 2021

植田 幹也

植田 幹也

植田 幹也(うえだ みきや)。大学卒業後から始めたフリークライミングに魅せられ、サラリーマンを辞めてボルダリングジムスタッフに。ブログ「Mickipedia」やクライミング雑誌『Rock&Snow』等での執筆活動、ジャパンカップやW杯の実況解説も担当。

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