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女子はビロディドら3強揃い踏みの48kg級、男子はリネール、原沢ら本番超える陣容集った100kg超級に注目/ワールドマスターズ・ドーハ2021
柔×コラム by 古田 英毅原沢と同じく日本の五輪代表を務める向翔一郎が送り込まれる90kg級も面白い。10月のグランドスラム・ブダペストと欧州選手権を圧勝して五輪金メダル候補最右翼に浮上したミハイル・イゴルニコフ(ロシア)がエントリー。片足を突っ込めばそれだけで無敵、あらゆる選手をケンケンの大内刈と内股だけで片付けて来たこの選手をいったい誰が止めるのかが今大会の争点である。向はもちろん、ひときわ面白そうなのはもと世界王者で潜在能力ナンバーワンのガク・ドンハン(韓国)。両者の対戦は2018年ワールドマスターズで1度あるきり(イゴルニコフが大外返「一本」で勝利)だが、この時はガクの不調期でイゴルニコフは孵化前。現状の参考にはなりえない。負傷も癒え、調整十分のガクがいまのイゴルニコフとどのくらい戦えるかは、そのまま五輪で「イゴルニコフ以外にも金メダルの可能性があるか」を占うと言っても過言ではない。ネマニャ・マイドフ(セルビア)、ノエル・ファンテンド(オランダ)と戦術派の世界王者2人も参加しており、向にとっては試練の大会となる。
渡名喜風南選手
女子で注目したいのはこれも日本の五輪代表選手が参加する48kg級と78kg級。
48kg級は世界選手権2連覇中のダリア・ビロディド(ウクライナ)、前回のワールドマスターズからツアー3連勝中のディストリア・クラスニキ(コソボ)、2017年の世界王者渡名喜風南と、階級の3強が揃い踏み。本当にここで戦ってしまっていいの、と思わずつぶやいてしまう豪華陣容となった。ビロディドはコロナ禍における減量のリスクを考えて10月のグランドスラム・ブダベストは1階級上の52kg級で参加(3位)しており、今大会はまずコンディションが最大の課題。渡名喜は順当なら準決勝でビロディドと戦うことになるはず。ここまで1年半近くをビロディド対策に費やしてきた渡名喜、すべてを見せることはないはずだが、五輪まで残された時間を考えるとここで実際に組み合えることは極めて貴重な機会。長身のビロディドの懐に小さい渡名喜がどう潜り込むか、その作戦のレベルに期待。
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