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モーター スポーツ コラム 2022年5月26日

神技とタイヤ~スーパーフォーミュラ第4戦にて~

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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スーパーフォーミュラ第4戦で優勝した平川亮選手(左)と星野一義監督(右)

全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の舞台となった今年のオートポリスは、決勝日、好天に恵まれて、早朝は阿蘇の外輪山から雲海が見られるという絶景のおまけ付きでした。天気が良いと九州の阿蘇地方は、最高の景観です。

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オートポリスでの一戦は、富士や鈴鹿、もてぎとは異なる様相を呈することが多いです。
コースレイアウトとコーナーの形状は特徴的で、なおかつ路面もタイヤには厳しい、つまり摩耗を攻略してどうパフォーマンスを維持し続けるかが課題となる。コーナーの多くは回り込んでから加速するタイプが点在していて、急勾配を降りてから鋭く転舵するものや、登りながら左右にコース取り、最終コーナーも大きく回り込んでストレートへ加速してゆく。フロントもリヤもタイヤのケアーが特に重要。

レース後に何人かのドライバーに話を聞いてみると、レース序盤にタイヤのパフォーマンスを低下させないようにペースをコントロールしながらピットインのタイミングを考え、そして、2セット目のタイヤも最後の最後までパフォーマンスを維持して走行することがキーポイントだったと。

それにしても、今回は平川亮選手の序盤のごぼうぬきには、本当にビックリさせられた。何と8番手グリッドから1周目に3位でホームストレッチに帰ってきたのだから・・・。スタート直後の接近した状況は、ライバルが直近にいるので、パッシングのチャンスではあるけれど、しかし、タイヤも温まっていないし、接近しているので接触のリスクもある。事実、1周目に一台がコースオフ、セーフティーカーラン後のリスタートでも接触が起こって、一台がコース上にストップ。そのリスタートでも平川選手は1台をパスして、何とレース序盤で2位までポジションアップしていた。これを星野一義監督はレース後「神技」とコメントしていた。

明暗を分けたのは、ピットインのタイミング。トップの車両が10周を終えた時点からピットインして義務のタイヤ交換が可能になる。2回目のセーフティーカーランが9周で終わり、次の周に3台がピットイン。予選のトップグループも15周目あたりまでにはピットインしていた。しかし、その後にタイヤのパフォーマンスが変化して、表彰台に立った3人は平川選手を含めて20周以降にピットイン。結果的に摩耗が進みつつも、途中からタイヤのパフォーマンス、ペースが安定してくれたらしい。つまり、1セット目のタイヤで周回数を稼いだ方が作戦的に正解だったのですね。初表彰台に立った三宅淳詞選手に至っては、33周目(残り9周)にしてのピットインだった。そして、4位以下に予選トップから4番手までのドライバーがゴールしているという面白い現象が起きた。

レース中のタイヤの変化を読み、マネージメントが、勝負を制した一戦であったというわけですね。

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文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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