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モーター スポーツ コラム 2021年12月7日

Zのお産婆さん

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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富士スピードウェイでお披露目されたNissan Z GT500。

淑女がお帰りなされた。
7代目だ。
と、いうことは、【姉御】とお呼びするのがお相応しいか。
そして、先日には、姉御はサーキットにもお顔をお見せになった。お久しぶりである。いきなり肩肌を脱いだと思ったら、淑女の文字はその背中にはなかった。鮮やかに【Z】の一文字。
口上こそなかったけれど<手前、あらためましてNissan Z GT500と申します>てな具合か。

早い話が、来シーズンからSUPER GTのGT500クラスにGT-Rに代わって登場するのが新型フェアレディZのGT500マシン。しかし、レースではフェアレディの名は使わない。

でも、皆さん知っていますか?いつからフェアレディに【Z】が付け加えられたのか。
昔々アメリカ日産社長の辞令が片山 豊氏に下った。アメリカ市場で日産のプレゼンスを高めるにはどうしたらと考えた。丁度S30のフェアレディが開発されていた。北アメリカの大陸横断が可能なスポーツカー。一見してバランスの良いスタイリング。追い抜いて行ったそのクルマの斜め後ろからの美しさを大事にと進言した。そうして、ロングノーズ&ショートデッキの2シータースポーツカーが誕生した。そして、ネーミングだ。フェアレディではインパクトが弱い。1960年代にアメリカに渡る際、氏の兄が檄として日本海海戦における東郷平八郎司令長官の言葉を贈ってくれた。東郷司令長官の乗る戦艦三笠のマストにはZ旗が掲げられていた。<この一戦に後はない>という不退の意味が込められていた。片山氏はそのZを加えることとし、それがアメリカでも大受けした。フェアレディZの誕生だ。モータースポーツにも積極的に参戦。当初年間目標販売台数を2,000台としていたが、発売前に現車がアメリカに届く前に4,000台オーダーがあったという。

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アメリカでは絶大な人気を博すフェアレディZ。現地では<ゼット>ではなくて<ズィー>と呼ばれ。そして片山氏は<Mr. K>と呼ばれ多くのZファンに常に歓迎されていたそうだ。

2002年にZ33が発売された時に片山氏にインタビューする機会があった。その時、御歳92歳。
「片山さんは、Zの産みの親でいらっしゃるわけですね」
「いやいや、私はそうではないと思います。産みの親というのは、設計者であり、デザイナーであり、実際にクルマを作るスタッフであると考えています。私の立場を考えたことがないですが、産みの親ではないですから、お産婆さんですかね(笑)。いや、飼育係というのが正しいかな」と大きな体を揺すりながらお笑いになったのを思い出す。

片山氏は、Nissan Z GT500をどのようにお思いだろう。

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文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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