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モーター スポーツ コラム 2021年12月6日

それぞれの感情が交錯した2021 SUPER GT最終戦

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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「自分自身も今年はノーミスで高い次元で走れていたので、非常に満足していましたし、そこは胸を張っていいかなと思っていました。チャンピオン争いの権利はあるものの、条件としては厳しい状況。どちらかというとチャンピオンを意識するというよりは、今年できていなかった“1勝”をしたいと思って臨みました。それが形になって、非常に嬉しいです」(関口)

「今シーズン開幕戦で14号車とのバトルに競り負けて2位に終わってしまったことから始まり……悔しい思いばかりしてきた1年でした。でも、最終戦でこうして勝つことができて、チャンピオンも獲得できました。今シーズンは、他のカテゴリーも含めてうまくいっていなかったので、最後に笑って終えることができて本当に嬉しいです。今年頑張ってきたことが結果で報われて本当に良かったです」(坪井)

万が一、1号車がアクシデントに見舞われた時、チャンスが巡ってくるポジションにいたのが、他でもない36号車だった。レース前の時点で16ポイントの差がついていたため、仮に1号車がノーポイントで終わったとしても、36号車が2位以下であれば、逆転王座を獲得できなかった。

“ライバルに何かあった時に、チャンピオンを狙えるポジションにいる”。それも、レースの世界では重要なことであり、今回のチャンピオン争いを語る上で、欠かすことのできない事実のひとつだ。

ライバルの1号車山本も「誰がどう見ても、今回の36号車は一番速かったし、チャンピオンに値する走りをしたから、タイトルを獲ったわけです。彼らを祝福するのは当たり前のことです」と、レース終了後すぐに彼らを祝福しにパルクフェルメに向かった。

こうして幕を閉じた2021シーズンのSUPER GT。とはいえ……今回の結末を、心の中でうまく消化できていない人は、きっと少なくないだろう。

正直、言葉として「これがレース」と片付けることは簡単だが、当事者たちの心境を考えると、そんな一言で済ますことは到底できない。

この1戦を表すのに、ふさわしい言葉はないのか……。その答えを一生懸命探してみたものの、ピッタリと当てはまる言葉や表現は見つからなかった。

それでも、あえて言うとするならば……全てを理解した上で「これがレース」と言うしかないのかもしれない。

様々な感情が交錯した2021年の最終戦だったが、どんな想いがあるにせよ、時は止まってくれない。数ヶ月後には、2022シーズンの開幕戦を迎える。

その時に、色々な想いを抱えたドライバーたちが、今回のレースをどう受け止め、次のシーズンに向けてスタートを切るのか。その様子を、今までと変わらず、現場で追いかけていこうと思う。

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文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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