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モーター スポーツ コラム 2021年12月6日

それぞれの感情が交錯した2021 SUPER GT最終戦

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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トムスにとっては昨シーズンの雪辱を果たす優勝となった。関口雄飛(左)、伊藤大輔監督(中央)、坪井翔(右)

昨年も劇的な形で勝敗が決したのだが、今年も誰ひとりとして予想していなかった結末に、サーキットは騒然とした。

1号車に接触してしまった55号車の佐藤。もちろん、目の前にいる61号車を追い抜こうとしていた中で起きてしまったアクシデントで、故意ではない。ARTAの鈴木亜久里監督、土屋圭市エグゼクティブアドバイザー、さらにはコンビを組む高木真一や55号車担当の岡島慎太郎エンジニアも同行し、すぐにチームクニミツのピットへ謝罪に向かった。その中でも佐藤は1号車の関係者に対し、深々と頭を下げていた。

今回はチームクニミツの高橋国光総監督も現場に来ていたのだが、実際にどんな会話をしていたか分からないが、長い時間話し込んでいる様子がみられた。その後も佐藤を始めARTA首脳陣がチームクニミツのピットやホスピタリティに足を運ぶ姿が何度か見られた。

夜になって、各チームの撤収作業が進むパドック。遠目ではあるが、ショックのあまり全身の力が抜けて座り込んでいる佐藤を見かけた。

直接話をすることは叶わなかったが、自分がやってしまったことを心の底から受け止め、事の重大さに今にも押し潰されそうになっている……彼の背中を見て、そう感じた。

正直、自分たちのクラスのバトルに専念するあまり、他クラスの車両に接触してしまうというケースは、過去には何度か見られてきた。これがSUPER GTというレースの難しさでもあるのだが、今回佐藤がぶつかってしまった相手はGT500クラスでチャンピオン最有力候補。山本だけでなく、チームクニミツ、そしてホンダ勢のGT500クラス連覇の可能性が、自身のミスで消えてしまった……。

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その時、佐藤が何を考えて、厳しく冷え込む富士スピードウェイでの夜を過ごしていたのか……。想像するだけで、こちらも胸が痛くなった。

一方、まさかの形で連覇の可能性が潰えてしまった山本。パルクフェルメでマシンを降りると、真っ先にチャンピオンを獲得した36号車のもとへ向かい祝福していた。その後も、ピットに戻りながらファンの声援に応えるように手を振るなど、身体の中から込み上げてくる悔しさを抑え込み、大人な対応を見せていたが、悔し涙を流す相方の牧野任祐やチームクルーたちを目にした瞬間、我慢していた涙が一気にこぼれ落ちている様子だった。

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