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モーター スポーツ コラム 2021年7月26日

2021 SUPER GT第4戦レビュー|もてぎ初優勝で垣間見えた“山本尚貴の真の強さ”

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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この12年間、SUPER GTのみならずスーパーフォーミュラでも“地元で勝ちたい”という想いは人一倍持っていた山本。それだけに、もてぎ大会はいつも気合いが入る1戦だったのだが、その気持ちとは裏腹に悔しい結果に終わるレースがほとんどだった。

念願叶い、地元もてぎで国内トップカテゴリー初勝利を飾った山本。しかし、マシンから降りてきた山本は、いつも以上にガッツポーズを見せて喜んでいたが、どこか冷静な雰囲気もあったように思えた。そこには、この12年間のキャリアでの経験と、それに伴う心境の変化があった。

「こうして年齢とキャリアを重ねてきたことで、良くも悪くも色々と物事がみえるようになってきて、やっぱり若手の頃に感じることができなかった責任感とか、自分の想いだけじゃないところの“想い”というのを背負いながらレースをしていて、それは年々強く感じるようになっています」

「“地元でやっと勝てた”という思いはもちろんあるんですけど、それ以上に“みんなと勝ち取った”という思いの方が強いですね。本当に嬉しかったです」

勝利のために日々努力してくれているみんなのために結果を出したい……。その想いを強く抱くようなエピソードが、金曜の搬入日にあった。

レースの前週である7月11日に33歳の誕生日を迎えた山本尚貴に対し、チームクニミツがサプライズで誕生日のお祝いを企画。牧野をはじめ、チーム総出で行った作戦は見事成功し、山本も満面の笑みをみせていた。

週末に向けて徐々に緊迫感が漂うパドックの中、1号車だけが和やかな雰囲気になっていたのだが、それが逆にチームの結束力を高めた一瞬だったようにも感じる。もちろん、山本自身も“いつも頑張ってくれているチームのために、今回は良い走りをしたい”と決意を新たにしたに違いない。

自分の想いだけでなく、そこに携わる全ての人の想いも背負って戦う……。それも勝負どころで強さを発揮できる原動力になっているのだ。

この勝利でドライバーズランキングも一気に2番手まで浮上した山本。今シーズンは開幕戦から思うように歯車が噛み合わないレースが続いていたが、この勝利がシーズン後半に向けた起爆剤になることだろう。残り5大会、相方の牧野とともに、どんなレース運びをみせるのか注目である。

そして、王者の強さを見せつけられたライバルたちは、どう対策をして8月の鈴鹿大会を迎えるのか……。これから本格化していくであろう、2021シーズンのチャンピオン争いは、ますます面白い展開になっていきそうだ。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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