人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

モーター スポーツ コラム 2021年4月22日

2021スーパーフォーミュラ第2戦プレビュー|開幕戦で垣間見えた“王者の底力”、得意の鈴鹿で復活の狼煙を上げられるか?

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
  • Line

鈴鹿で開催された昨シーズンの第5戦。山本はシーズン初優勝を果たした。

迎えた富士スピードウェイでの開幕戦でも復調ならず、予選Q1敗退。16番手スタートとなった決勝では、集団状態にあった序盤戦で、うまくオーバーテイクシステムを駆使して順位を上げていったものの、10周目のピットストップで左リアタイヤの交換に時間を要してしまい、約20秒近くタイムをロスしてしまった。これまでの流れの悪さに加え、さらに追い打ちをかけるような展開となってしまったが……ここから“王者の底力”が発揮された。

「ピットアウトした時は意外と冷静でした。調子が悪い時、ずっと頑張ってくれていたのがチームのみんなです。だから『ミスをして、何をやってくれているんだ!』という気持ちは全くなくて、逆に『頑張っていけるところまでいって、絶対にポイントを獲って帰ってきます』と無線で言って、ピットアウトしました」

そこから山本は、これまでの不調を感じさせないような好ペースで周回を重ね、一時はトップ集団をしのぐほどのラップタイムを刻んでいた。これにより、後半にピットストップしたライバルを次々と逆転し、気がつくとポイント圏内に浮上。求めていた最良の結果ではなかったものの、6位でフィニッシュし、しっかりとポイントを持ち帰ってきた。

レース後、チームスタッフ1人1人のもとに歩み寄り、感謝の気持ちを伝えた山本。それに対しメカニックから返ってきたのはピットストップで時間がかかってしまったことに対する謝罪の言葉だったという。

「僕は連日連夜頑張ってくれたことに対して感謝の気持ちを伝えたんですが、逆にメカニックのみんなからは『ピットストップで時間がかかってしまい申し訳なかった』と言われました。それと同時に『もっと頑張って、次は絶対に良くします』と言ってもらえたのは、すごく嬉しかったです。本当にこのチームに移籍して良かったなと思いました」

「鈴鹿は自分の得意なサーキットですし、チームとしても過去にポールポジションを獲得したり、レースでも昨年優勝しているサーキットなので、十分に戦えるデータはあると思います。開幕戦でも(チームメイトの)大湯選手が2位に入って、チームの力は高いところにあると思うので、そういったところを結集して……鈴鹿では勝ちたいです」

チームメイトの大湯はテストから好調を維持している。

苦しい状況の中でも、確実に“次に繋がるもの”を勝ち取ってきた山本。改めて、こういうことができるのが、彼の真の強さなのかもしれない。シーズンオフのテストでは、深刻な雰囲気も垣間見得たTCS NAKAJIMA RACINGだが、この1戦を経験したことで、チームとドライバーの絆は確実に深まったことだろう。

その上で迎える第2戦鈴鹿。もちろん、強力なライバルも多く、一筋縄ではいかないだろうが、王者山本がどんな進化をみせるのか……。注目の1戦になりそうだ。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!

モーター スポーツの放送・配信ページへ