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そこから、シーズンオフの間に様々なことを見直し、改善に努めてきた野尻。まずは予選でポールポジションを獲得した。
「オフシーズンの間に、なぜ2020年の前半戦はうまくいかなかったのか、逆になぜ後半戦はうまく行っていたのかを、深く考え、勉強もすごくしました。オフの間でしっかりと準備してきてきましたが、シーズンオフテストもこなしていくなかで、新たな考え方が深まっていきました。
「今回は走り始めから、ものすごく調子が良くて、ひとつ頭が抜けている状態で予選に臨むのが個人的には初めてでした。この中でどうやって自分をコントロールしてまとめ上げるかというところで、自分の中では難しさを感じました。それでも、きちんとこの場(ポールポジション)にいられたというのは、さらに自信を深めることができたと思います。決勝も強く・賢く戦いたいなと思います」
そう語る野尻の表情は、昨年とは少し違い、“勝つために攻めていくんだ!”という積極的な気持ちが垣間見えた。
予選終了後PP獲得で力強いガッツポーズを見せた野尻。積極的な気持ちをみせた開幕戦だった
その攻めの姿勢は、決勝で存分に発揮される。スタートでは大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)の先行を許し、2番手に下がるものの、しっかりと大湯に食らいついていき10周目にオーバーテイクに成功。トップを奪い返すと、徐々に後続との差を広げていき、最後までその座を死守して今季初優勝を飾った。
これで野尻はスーパーフォーミュラで通算4勝目となるが、今回は初めてコース上での直接バトルでトップを奪い返して優勝を勝ち取った。
「大湯選手も非常に速かったんですけど、5~6周してから、こっちに部があるなというのが分かって、ちょうど(ピットストップを)早めに入るか終盤まで引っ張ろうかと悩んでいた中で、ミニマム(ピットウインドウが開く10周目)で入ろうと決めた時にすごく大きなチャンスがやってきて、大湯選手をかわすことができました。そこでステイアウトの選択をとって、最後まで引っ張りきりました」
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