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「今まで『自分が、自分が』という部分でレースをやってきた部分がありましたが、それだけじゃ出来ないだなということも改めて分かりましたし、これだけレースをやってきたのに、初めて経験することがたくさんあって『私はレーサーを気取っていたけど、実際は何も知らなかったな』と感じました」
そこから、三浦は冷静なレース運びをみせていく。鈴鹿サーキットで行われた第2戦は大雨となったがミスのない走りで優勝。富士スピードウェイに舞台を戻しての開催となった第3戦はタイヤ選択などが影響し2位となってしまったが、大きなリードを築いた状態で最終戦を迎えた。
Rd2ではポールトゥウィンでKYOJO CUP 初優勝を飾った。
このレースを表彰台圏内でフィニッシュすればチャンピオンが決定する三浦だったが、ほしいのは優勝。ポールポジションから抜群のスタートを決め、後続を引き離しにかかるも、シフトミスで失速した隙を突かれ、翁長実希(#37 KeePer VITA)の先行を許してしまった。最後まで挽回しようと必死に走るも、逆転は叶わず2位でレースを終えた。
「あのシフトミスがなければ単独で逃げて勝つことができたかもしれません。本当は最終戦も勝って終わりたかったし、そのチャンスはありました。でも、勝てなくて終わったというのは……まだまだ自分の実力が足りてないんだなと改めて痛感しました」
三浦は、ここでも勝つことはできなかったのだが、4戦全てで表彰台を獲得し、KYOJO CUPの2020シリーズチャンピオンに輝いた。実は、カート時代を含めると15年以上のレースキャリアを持つ三浦なのだが、シリーズチャンピオンを獲得するのは、これが初めてだった。
レースキャリアで初のシリーズチャンピオンを獲得となった。
レース後は、メディアの取材やチャンピオン記念の写真撮影などに終われ、自身のピットに戻ることができたのは日が暮れた後のことだった。「(自分の実力は)まだまだなんですけどね……」と言いつつも、笑顔になっている彼女が、そこにいた。
「私にとってカート時代も含めて、初めてのチャンピオン獲得でしたが、『チャンピオンを獲るって、こんなにも難しいんだ』ということを学べました。今まではチャンピオンになったことがない中で、ずっとレースをしてきたけど、勝ち方というか、チャンピオンになるための方法みたいなのを少し学べたのかなと思います。そういう経験ができたという嬉しさがすごく大きいですね」
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