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しかし、7月初旬に行われた開幕戦。その目標が早くも崩れ去った。
予選ではライバルを圧倒しポールポジションを獲得したのだが、決勝は横殴りの雨がサーキットを襲い、一時レースが中断されるなど、荒れたレースとなった。その中で三浦はレース序盤にアクシデントに巻き込まれ、最後尾まで後退。そこから追い上げて、なんとか3位でフィニッシュし、表彰台の一角は確保した。
序盤のアクシデントという不運があったことを考えると、見事な追い上げを披露したレースだったが、彼女の中では“勝てなかった”という現実だけが残ってしまった。
レース後の彼女は体の中から湧き出てくる悔しさを必死に押し殺しながら、メディア取材の対応をしていた三浦の姿があった。
「(アクシデントの際)自分が前にはいましたが、相手が近くにきているのは分かっていたので、もう少し自分でも対処のしようがあったのかなとちょっと反省しています。そこから焦りがどんどん大きくなって2周目の1コーナーでもスピンしてしまいました。最後はラッキーもあって3位まで挽回できましたが……自分の弱いところが出てしまった反省の多いレースでした。これを教訓に今後頑張りたいと思います」
だが、この経験が、三浦に“新たな発見”をもたらした。
これまで全日本F3に参戦していた時は、彼女も従業員として務めていたエクセディの強力なバックアップを受けていたが、2019年いっぱいでエクセディを離れることとなり、2020年はレース活動に関しては自分自身で動いていかなければいけない状況にあった。
KYOJO CUPの参戦で自分自身と向き合うことができた三浦愛
「私自身、現実を見たような気がしました。どれだけエクセディの存在が大きかったかということを実感しました。でも、それが私の中ではマイナスじゃなくて、今はプラスに思えています。今まで見えなかった部分がたくさん見えて、ドライバーとしてだけじゃなくて、いち社会人として生きていく中で、大切なことや今まで気づけなかったことに気づけました」
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