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毎年、シーズンのキックオフイベントとしてファンの間でも注目されている3月の岡山公式テストは無観客で開催された。普段は開幕を待ちわびるファンが大勢詰めかけ、テストにも関わらずシーズン戦同様の熱気に包まれるSUPER GTなのだが、この2日間は静かなサーキットにマシンのエキゾーストノートだけが響き渡るという、何とも寂しい光景が広がったテストとなった。
その後、SUPER GTは当初予定していたスケジュールを大幅に変更し、7月中旬に開幕するというプランを作成。同時に感染防止のロードマップ・ガイドラインを策定し、長距離移動に伴う関係者の感染リスクを低減させるため、公共交通機関を利用せずに移動ができる富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎの3会場に限定して全8戦を開催することが決定。そのうち前半4戦は無観客でレースを行うという決定を下した。
第4戦までは無観客開催となった今シーズン。スタンドから声援を送るファンの必要性を痛感した。
普段なら夜が明ける前から多くのファンがサーキットに集まり、活気に満ち溢れるSUPER GT。パドックでもドライバーたちの入り待ちをしているファンも少なくなく、いつも目を輝かせながらモータースポーツ観戦の週末を楽しみにしているファンの姿を見ながら、我々も「よし、今日も頑張ろう」と気合いが入ったものだった。
しかし、2020シーズンの前半4戦は、その光景が全く見られず、最初は今まで経験したことのない雰囲気を感じ、どこか気合いの入らないレースウィークが続いたのを今でも鮮明に覚えている。
特にそれを強く感じたのが、鈴鹿サーキットでの第3戦。ここはコースを囲むように観客席が設置されており、グランドスタンドのみならず各コーナーの賑わいぶりもパドックから一目で分かるほど。以前開催されていた鈴鹿1000kmの頃は取材のためパドックを歩いていると、多くのファンで埋め尽くされた1・2コーナースタンドが見えたものだったが、第3戦の時には誰もいない。東コース全体に広がる“空っぽの観客席”を目の当たりにし、改めてSUPER GTにとってファンの存在がいかに大切なのものなのか……。それを強く感じたシーズン前半戦だった。
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