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タイヤ無交換か?王道作戦か?
GT500クラスに負けず劣らず、GT300クラスも白熱した戦いが繰り広げられたが、シーズン序盤から注目が集まったのが“タイヤ戦略”だった。特にブリヂストンタイヤ勢がタイヤ無交換作戦を駆使し、開幕戦ではNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra(吉田広樹/川合孝汰)、第4戦もてぎではNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)がこの作戦でライバルをリードし、勝利を手にした。
開幕戦でデビューウィンを飾ったNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra。ルーキー川合孝汰はSUPER GTデビュー戦を勝利で飾り、シーズンを通して勢いある走りをみせた。
前半戦を終えた段階でブリヂストンタイヤユーザーの車両が優勢な雰囲気が漂い始めていたが、そこに対して徹底的に“王道の作戦”で挑んでいったのがNo.56 リアライズ日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)だった。前半戦は不運もあって思うようにポイントを稼げないレースもあったが、第5戦富士でひとつのきっかけをつかんだ。予選6番手から藤波が前半スティントで順位を上げ、途中のピットストップでタイヤ交換。これで無交換を行うライバルに先行されても、フレッシュタイヤを装着しているメリットを利用してオリベイラが担当する後半スティントでペースを上げていき最終的にトップを奪って優勝を果たした。この成果が自信につながり、全く同じような逆転劇を最終戦でも披露した。その結果、56号車がGT300クラスの王座に輝いた。
最終戦でもみせた、JPのアグレッシブな走りがチームにタイトルをもたらした。
多種多彩な車両が参戦するGT300クラスは、よく各車両の特徴などがフォーカスされることが多かったが、2020年はこと“レース戦略”という部分に注目が集まったGT300クラスだった。もちろん、タイヤメーカーを含め各陣営とも、この結果を踏まえて2021年に向けた対応策をシーズンオフで考えているはず。GT500にも負けないハイレベルな戦いが期待できそうだ。
コロナ禍で感じたファンの大切さ
2020年のSUPER GTは、もう一つの側面に置いても“忘れられることのない”シーズンとなった。
年が明けたころは、いつもと同じように各陣営が新体制を発表し、開幕戦に向けてテスト走行を繰り返す日々が続いていた。しかし、新型コロナウイルスが世界的に感染拡大していき、日本でも感染者が確認されるようになっていった。
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