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まさに“激戦”という言葉がふさわしい内容となった最終戦。その中で王座をかけて最後の最後まで勝負をしたのが37号車とNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)だった。37号車はキャシディが翌シーズンから参戦するフォーミュラEのテストに参加しなければならず、終盤に2戦を欠場。代わりに山下健太が代役を務めたが、開幕戦を彷彿とさせるような快走を披露した。その一方で100号車は7番グリッドから着実に追い上げ2番手に浮上した。彼らは開幕前のテストから歯車がなかなか噛み合わず序盤は苦戦を強いられる場面もあったほか、不運なアクシデントに巻き込まれてポイント獲得を逃すレースもあった。それでもチームのエースである山本を中心に“最後の最後まで諦めない”姿勢を貫き通し、この最終戦でも15秒差から少しずつ差を詰めていき、残り5周で3秒後方まで迫っていった。
これに対して37号車を駆る平川も最後の力を振り絞って逃げたのだが、100号車の山本は最終ラップまで諦めずに攻め続けた。その結果……最終コーナーを立ち上がったところで37号車が失速。ゴールまで500mでトップが入れ替わり、最終的に100号車がチャンピオンを獲得した。
追う山本尚貴と逃げる平川亮がみせた、残り数周の攻防戦をファンはわすれないだろう。
まさに、何と表現していいかわからないほどの劇的な結末。最終的にホンダNSX-GTが2020年を制したことになったのだが、改めて最終戦のレース内容を振り返ると、3メーカーともパフォーマンスに大きな差がなかったように感じた。特にGRスープラとNSX-GTは甲乙つけがたい拮抗した状態で、Class1が導入されたことで、共通パーツも大幅に増えたことで、車体側でのメーカー間の差が少なくなった結果が、2020シーズンの激戦の展開を演出したのだろう。
これが2021年は、どのような勢力図に進化していくのか。コロナ禍の影響もあり12月のセパンでのテストが開催されないなど、テストの機会も減る方向になっていきそうだが、ますます目が離せない2021シーズンになることは間違いなさそうだ。
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