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2020SUPER GT第7戦レビュー|不安に襲われ続けた40周……ARTA NSX-GT独走劇の裏にあった福住仁嶺の“孤独との戦い”
モータースポーツコラム by 吉田 知弘福住仁嶺(ARTA NSX-GT)
2020年のSUPER GT第7戦ツインリンクもてぎ。GT500クラスはホンダNSX-GT勢の速さと強さが際立ったレースウィークとなり、開幕戦から常に速さを見せながらも、悔しいレースが続いていたNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が待望の今季初勝利を飾った。
2番グリッドからスタートし、前半スティントを担当した野尻が10周目にNo.64 Modulo NSX-GTをパス。そこから後続を一気に引き離す走りを披露した。途中に導入されたセーフティカーの影響もあり、早めにピットストップを済ませた8号車は、レース後半は3番手以下の車両に対して大量リードを築いた。最終的には同じ戦略で走っていた64号車も大きく引き離し、46秒ものギャップを築いての独走優勝を飾った。
NSXが初の1-5位を独占し、ホームコースで圧勝を収めた。
パルクフェルメでマシンを止めた福住は、人目をはばからず大粒の涙を流していた。野尻からマシンを引き継ぎ、チェッカーを受けるまでの40周は、彼にとって“悪夢”との戦いだったのだ。
「セーフティカーが解除されてから、後ろとはかなり離れていたんですが……逆に自分でも走っているうちに良くないシチュエーションだったりとかを考えてしまっていました。SCが入る前も野尻選手が10秒以上のギャップを築いてくれていたんですけど、今シーズンは後ろとのギャップが大きくあった時でも、なかなかうまくいかず、トップでピットアウトした時もトップで帰ってこられないというレースがけっこうありました」
そう。今シーズンの8号車はここまで速さを見せていながら、勝てそうで勝てないレースが続いていたのだ。
富士スピードウェイでの開幕戦では序盤から好位置をキープするも、福住が担当した後半スティントで順位を落とし8位フィニッシュ。同地で行なわれた第2戦では序盤からNo.17 KEIHIN NSX-GTとトップ争いを繰り広げるも、後半スティントを担当した野尻がピットアウト直後にスピンを喫し、入賞圏外へ脱落した。
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