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モーター スポーツ コラム 2020年3月30日

岡山公式テストで見えた新GT500車両の勢力図

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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実際に2月まで行われていた各メーカーテストでの状況もパドックで聞こえてきたのだが、多くの関係者が「今年はGR Supraが圧倒的に強い」と予想していた。

とはいえ、岡山国際サーキットは近年の結果を見てもホンダ勢が得意としているコース。そのアドバンテージはFRになった新NSX-GTでも十分にありそう。その反面で彼らもマシンの仕上がり具合に課題を抱えている様子で、シーズンを戦っていくと大苦戦を強いられるレースもありそうな雰囲気だ。

トヨタ勢とホンダ勢の速さが際立った一方で、少し気になるのが日産勢だ。2日間を通してトップタイムでセッションを終えることはなく、結果だけを見るとトヨタ、ホンダ勢から遅れをとっているのが否めない状況だった。しかし、ドライバーたちに話しを聞いても昨年と比べて確実に良くなっており、ライバルとの差は縮まっていると自信をみせていた。

実際に1日目のセッション2では途中までNo.12 カルソニック IMPUL GT-Rが上位につけていた。終盤にドライブシャフトのトラブルに見舞われ、最後は満足にアタックできず、セッション2は9番手で終わったが、2日目のセッション4ではレースを見据えてロングランに集中するなど淡々とメニューをこなしていた。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rもセッション4では2番手に食い込みライバルと遜色ないタイムを記録。毎年、最後の最後まで手の内をみせない日産勢。シーズンが始まれば優勝争いに絡んでくることは間違いないだろう。

強いニッサンの復活をファンは待ち望んでいる。

本来、岡山公式テストだけでは今季の勢力図を全て把握するのは難しいが、その中で3メーカーとも共通して聞こえてきたのが「まだ走り込みが足りていない」ということだ。

実は3月上旬に鈴鹿サーキットでメーカーテストが行われる予定だったのだが、新型コロナウイルスの影響で中止となった。これにより想定していたテストメニューをこなせず、十分なデータが集まっていない状態で岡山公式テストに臨んだチームがほとんどだった。

さらに貴重なテスト機会だった岡山公式テストも不安定な天候の影響を受け、各チームとも用意していたテストメニューをこなせないままサーキットを後にしていた。

さらに3月28日?29日に行われる予定だった富士公式テストは新型コロナウイルス対策として行政から外出自粛陽性が出ていることを受けて開催を中止となった。

おそらくコロナウイルスの終息を見計らって、レース前に公式テストの機会は改めて設けられる可能性もなくはないが……各チームともに“準備不足”のままシーズンを迎えることになるのは間違いなさそう。例年以上にドライバー力、チーム力が問われるシーズンになっていきそうだ。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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