モータースポーツコラム 2019年11月7日

トヨタ、サクセスハンディを背負うも3連勝を狙う

モータースポーツコラム by 皆越和也

プロトタイプカーとGTマシン、4クラスの混走による世界耐久選手権(WEC)の新たなシーズンの第3戦「上海4時間」が、11月8〜10日に中国の上海インターナショナルサーキットにおいて開催される。その予選と決勝の模様はJ SPORTSで生中継、J SPORTSオンデマンドでもLIVE配信される。

今季の”シーズン8”は、シルバーストンで開幕し、10月の富士を挟んで舞台は中国・上海へ。例年このレースは6時間耐久だったが、今年は4時間レースとして開催される。2時間短くなったことで、どのような影響が出てくるのかに注目したい。週末の天気予報は概ね晴れ。開幕戦シルバーストン4時間のように雨に翻弄されることはないだろうが、接近戦になった場合は車両に負担が出てくる可能性もある。

この上海でのWECは過去7回行われており、トヨタが4勝を挙げている。いわばトヨタが自信を持って臨むラウンドとなる。今回トヨタの7号車、8号車は共に同じシリーズポイントのために、今年から導入されたサクセスハンディキャップは同じ値となる。したがって前回の富士6時間のように、8号車が逃げるような展開とはならず、トヨタ同士のバトルが演じられるのではないかと予想される。同じLM P1クラスのノンハイブリッド車両との差は縮まるが、トヨタの開幕3連勝は堅いのではなかろうか

LM P2クラスでは、42号車クール・レーシングと29号車レーシングチーム・ネダーランドが1勝ずつを挙げてまだまだ序盤の混戦。彼らが2勝目を挙げるのか、それとも新たなウィナーが登場するのか？　37号車ジャッキー・チェン・レーシング、そして今年のSUPER GTチャンピオンを獲得した山下健太を擁する33号車ハイクラス・レーシング、さらには地力のある#36シグナテック・アルピーヌ・エルフもチェックしておきたい。

LM GTE PROクラスは、91号車ポルシェと95号車アストンマーティンがそれぞれ1勝ずつを挙げているが、ポイントリーダーは連続2位ゴールの92号車ポルシェ。開幕からつまずいている51号車AFコルセのフェラーリもそろそろ表彰台を獲得しておきたいところだろう。

LM GTE AMクラスでは、83号車AFコルセのフェラーリと90号車TFスポーツのフェラーリが勝ち星を分け合っている。シリーズ3位につけている70号車MRレーシング(石川資章/オリビエ・ベレッタ/ケイ・コッツォリーノ)に注目したい。

J SPORTSでは、予選を9日午後2時50分〜4時30分、決勝を6日午後0時30分〜午後6時30分にLIVE放送予定(S SPORTS 3/J SPORTS オンデマンド)。国内のスーパーフォーミュラ、SUPER GTも今季は終了したので、今度はWECを楽しもう！

文：皆越和也