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1シーズンかけて進化させてきたMcLaren 720SがGT300のポールを獲得
GT300ではチャンピオン候補の1チームである、K-tunes RC F GT3にまさかの事態が起きた。Q1を担当したのは、ベテランの新田守男。セクター3までを好タイムで刻み、上位進出まであとはストレートを駆け抜けるだけ……だった最終コーナーで痛恨のスピンを喫してしまう。再度アタックをかけた新田ではあったが、なんと17番手留まり。阪口晴南にバトンを託すことができなかったのだ。
そして、ポールポジションを奪えなかった時点で、やはりチャンピオン獲得の権利を失う、グッドスマイル初音ミクAMGの片岡龍也はQ2で7番手。コンマ2秒差でリアライズ日産自動車大学校GT-Rの平峰一貴も、泣くに泣けぬ2番手でタイトル戦線から逸脱した。一方、ポイントリーダーのARTA NSX GT3は、Q1で高木真一が14番手でギリギリ突破を果たし、Q2で福住仁嶺が5番手に。唯一のライバルとなったK-tunes RC F GT3が17番手なのだから、十分すぎるポジションを獲得した。
一方、ポールポジションを奪ったのは、McLaren 720Sの荒聖治とアレックス・パロウ。荒は語る。「開幕戦では、全力でも走ってビリ、スーパーフォーミュラでポール争いするようなバカっ速のドライバー(パロウ)ですらビリだったんですから、ここまでの進化に自分たちも驚いています」と。最終戦で、ようやく苦労が報われたということか。
順当にトップを走り続けていたau TOM’S LC500
決勝レースはすっきり秋晴れとはいかなかったが、天候には久々に翻弄されることなく、終始ドライコンディションが保たれたまま、バトルが繰り広げられた。そのスタートを前に、ニッサン勢には不運な情報がふたつも飛び込んでくる。まず予選でエンジントラブルを抱え、出走できずクラス最後尾からスタートを強いられた、カルソニックIMPUL GT-Rの佐々木大樹とジェームス・ロシターが、エンジン交換のペナルティとしてレース中の15秒ストップを命じられた。さらに10番手からスタートを切るはずだった、CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの平手晃平とフレデリック・マコヴィッキィもエンジントラブルのため、リタイアを余儀なくされていたのだ。
14台での戦いとなったGT500で、1コーナーへのホールショットを決めたのは、もちろんau TOM’S LC500の中嶋だった。これに続いたのはMOTUL AUTECH GT-Rのクインタレッリで、WAKO’S 4CR LC500の大嶋は3コーナーでアウトに膨らみ、その隙を逃さなかったKeePer TOM’S LC500のキャシディ、そしてKEIHIN NSX-GTの塚越広大にも捕らえられて、いきなり5番手に後退してしまう。
トップの中嶋だが、思ったよりは逃げまくらず。まずは激しく争われたのは、クインタレッリとキャシディの2番手。ようやくキャシディが前に出たのは6周目の4コーナー。クインタレッリは続く5コーナーで塚越にもかわされてしまう。7周目の2コーナーでは、大嶋にも抜かれ、クインタレッリは5番手に。MOTUL AUTECH GT-Rは、どうもエンジンが本調子ではないようだ。
これによりトップを争うのは、TOM’Sの2台に。やがて接近戦になるが、KeePer TOM’S LC500がチャンピオンになるには、ポジションを入れ替えなければならないが、果たして? 一方、大嶋は硬いガードを見せる塚越を、なかなか抜けずにいた。ようやく前に出たのは、19周目の4コーナーだった。
20周目、早くもKeePer TOM’S LC500がピットイン。平川に交代し、39秒でコースに送り出される。次の周にはau TOM’S LC500、そしてWAKO’S 4CR LC500もピットに滑り込む。もちろん、先にコースに戻ったのはau TOM’S LC500の関口で、平川の前でコースに戻るも、3コーナーで痛恨のブレーキロックが! これで一気に差が詰まって、オーバーテイクを試みた平川ながら、ことごとくGT300車両に道を阻まれてしまう。そこから少し間隔を置いて、WAKO’S 4CR LC500の山下が、この2台に続くことに。24周目にKEIHIN NSX-GTが、GT500で最後のピットストップ。ベルトラン・バケットは山下の先行を許していた。
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