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モーター スポーツ コラム 2019年10月29日

SUPER GT第8戦プレビュー:早くも迎えた最終戦。気持ちよくシーズンを終えるために

SUPER GT by 秦 直之
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GT300のチャンピオン候補は4チームでも、事実上の一騎討ち?

GT300は全チームがノーハンデではない。というのも、全戦に出場していなくては恩恵が受けられないからで、タイでの第4戦を欠場したチームのうち、その他のレースで入賞経験のあるチームは、獲得したポイントそのままのウエイトを積んで走る。その対象となるのが、ADVICSマッハ車検MC86マッハ号の坂口夏月/平木湧也組、McLaren 720Sの荒聖治/アレックス・パロウ組だ。この2チームに限らず、チームランキングの中位にいるチームは来季のシード権を得られるか、得られないかの瀬戸際にいるだけに1ポイントでも欲しいところ。そういったせめぎ合いにも注目すると、よりレースを深く見られるはずだ。

だが、やっぱり最も注目されるのはタイトルの行方。ランキングトップとして最終戦に望むのは、ARTA NSX GT3の高木真一/福住仁嶺組。そして14.5ポイント差で追いかけるのが、K-tunes RC F GT3の新田守男/阪口晴南組で、20ポイント差がグッドスマイル初音ミクAMGの谷口信輝/片岡龍也組、そして20.5ポイント差がリアライズ日産自動車大学校GT-Rの平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ組となっている。

このうち谷口と片岡、平峰とフェネストラズはポール・トゥ・ウィンが大逆転の必須条件であり、なおかつ上位2チームの結果次第となるから、現実はかなり厳しいと言えそうだ。土壇場のどんでん返しも期待したいところだが、ここは事実上の一騎討ちという前提で……。

もし新田と阪口のポール・トゥ・ウィンを許したとしても、高木と福住は4位にさえ入ればいい。これは精神的にも、かなり有利なはずだ。しかしながら、高木にはトラウマがある。昨年、12ポイントのリードを奪って挑んだにも関わらず、予選でのつまずきが響いて戴冠に失敗しているのだ。

ただ、高木はもちろんのこと、チームが同じ轍を踏むとは思えず、また失敗からの経験で最終戦に望んでいるのは間違いない。少なくても今年、ホンダNSXに替えたのは、昨年までのBMW M6があまりにコースを選び、もてぎとの相性が最悪だったことも配慮されたからなのだろう。いずれにせよ、高木と福住が予選で上位につけられれば、かなり可能性は高くなることになる。

一方、新田と阪口にしてみれば、勝った上で間に3台は最低でもかましておかねばならない。チャンピオン候補の谷口と片岡のドライブするメルセデスAMG、平峰とフェネストラズのドライブするニッサンGT-Rは、もてぎとの相性は悪くない。むしろ、レクサスRC Fの方が良くないぐらいなのだが、そういったライバルを先に行かせては、逆転できないのが悩ましいところ。また、昨年ポールを奪っている、ランボルギーニ ウラカンも来そうな予感がある。

どうあれ、高木と新田、最多勝を争い合うドライバーで、なおかつかつてのチームメイトが、それぞれ若手のルーキーとともに一騎討ちというのは、ドラマを生む最高のシチュエーションといえまいか? どちらに栄冠が輝こうが、エンディングに涙はなく笑いが、それもお互いが賞賛し合っている様子が容易に想像できる。ただ、結末だけは分からない。

文:秦 直之

秦 直之

秦 直之

大学在籍時からオートテクニック、スピードマインド編集部でモータースポーツ取材を始め、その後独立して現在に至る。SUPER GTやスーパー耐久を中心に国内レースを担当する一方で、エントリーフォーミュラやワンメイクレースなど、グラスルーツのレースも得意とする。日本モータースポーツ記者会所属、東京都出身。

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