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まさにガチンコの24時間スプリント。72台ものエントリーを集めていた2019年のトタル・スパ24時間に今回初めて訪問し、そのレースを目の当たりにすることができたが、各メーカーのワークスドライバーたちが乗り込むプロクラスを中心に、降り続く雨のなかとんでもないレースが展開されていった。
もともと、このスパ24時間で使用されるGT3というカテゴリーは、アマチュア向けに生まれたものだった。各車の性能差をコントロールした徹底したバランス・オブ・パフォーマンス、ワンメイクタイヤ、そしてドライバーカテゴライズ。現在ヨーロッパはもちろん、世界的に当たり前となっている「みんな平等にチャンスがある」考え方をもとに開催されているレースだ。道具の性能はみんな一緒。ピットインの速さも基本的に決められており、基本的に差がつかないレースなのだ。
ではどこで差をつけるかといえば、ドライバーがスプリントの走りをずっと続け、コース上で1秒を稼ぎ続けること、天候を読み切り、最適な作戦の解を出し続けること、そしてミスをしてタイムを失わないこと。これを徹底してやり続けられた者だけがポディウムに登ることができる。非常にシンプルだが、とてつもなく奥が深い。特に今回は悪天候だったこともあり、それを痛切に現地で感じることができた。
今回日本人ドライバーもグッドスマイル・レーシング&タイプ・ムーン・レーシングの00号車メルセデスAMG GT3をドライブした谷口信輝/片岡龍也、KCMGの35号車日産GT-R NISMO GT3をドライブした千代勝正/松田次生と4人が参加していたが、こちらのレースに慣れている千代を除き、このレース、そしてヨーロッパの“文化”に驚くコメントが多く聞かれた(特に初挑戦の松田から)。日本では厳格にとられるトラックリミット(コース幅をはみ出してはいけないこと)、周回遅れに出されるブルーフラッグの解釈等々。
そんな文化や規定から生まれてきたのが、ヨーロッパならではのコース幅を大きく使った走り、そしてはじめから終わりまで続けられる僅差の争いに繋がるのだと感じた。純粋にドライバーとチームの力が試される。もちろん日本のレースも同様だが、ここではやはり“種類が違う”と感じられるのだ。
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