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久々に勝利の美酒を味わうか、WAKO’S 4CR LC500が!
舞台となるチャーン・インターナショナルサーキットの特徴として挙げられるのは、富士スピードウェイにも匹敵する高速コースだということだ。ホームストレートの後、ほぼ直角のターン1からヘアピン形状のターン3の間に、ターン2と称するコーナーが存在するが、ここもまた全開区間。ターン3からターン4までも同様で、はっきり言ってしまえば、GT300に関してはストレートパフォーマンスに定評のある、FIA-GT3にしか勝ち目のないコースでもある。
また、コース後半はテクニカルセクションが続くも、高低差のほとんどないフラットレイアウトである上に、最終のターン12を除けばフルブレーキングを要せず、むしろリズミカルな走りを求めることもあり、それほどウエイトハンデに敏感ではないのが、もうひとつの特徴でもある。
実際、昨年のDENSO SARD LC500は30kg、GT300においてもGAINER TANAX GT-Rの平中克幸/安田裕信組は34kg積んで優勝を飾っており、目下そのあたりというチームには、十分狙い目のレースとなりそうだ。また、高速コースということで富士と相性のいい車両は、すなわちチャーンでも……という図式が当てはまるなら、今年もGT500ではレクサス勢が有利であるのは間違いない。
いつもなら、事前に行われたテストを元に予想していくのだが、海外のサーキットということもあり、テストが行われておらず、どのチームもぶっつけ本番で挑むこととなる。前回の勢い、程よいウエイトということで、最も注目すべきはWAKO’S 4CR LC500の山下健太/大嶋和也組ではないか。前回は3位でトップ争いも繰り広げ、何より久しく恵まれていない優勝への渇望感が、そろそろ大爆発しそうだ。前回、季節外れの暑さにもブリヂストンのタイヤは、しっかり対応できていたこともあり、灼熱のタイを苦にしなさそうだ。
ニッサン勢ではまたも……となるが、カルソニックIMPUL GT-Rの佐々木大樹/ジェームス・ロシター組か。ここまでの3戦は本当に不運続き。本来備える速さが結果に結びついていないだけに、もう勝ってもおかしくないところ。また、チャーンではホンダ勢が一度も勝っていないが、来るとすればRAYBRIG NSXの山本尚貴/ジェンソン・バトン組か。前回の鈴鹿では、スーパーフォーミュラで優勝を飾った勢いを、そのまま持ち込んだ関口雄飛が中嶋一貴とともに駆るau TOM’S LC500が勝っており、その流れを山本が受け継ぎたいところ。
いずれにせよ、普段以上に予想困難な戦いであることは、紛れもない事実である。
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