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今年のWRCシーズンは新入りのチリが入って既に6戦終了しました。メキシコ・アルゼンチン・チリと3つの米州大陸イベントをパッケージ1つでこなした輸送作戦は成功したように思われます。残る遠距離はオーストラリアだけになりました。ラリーは世界興業をしているF1よりも機材、人員体制が大きいので移動には手間と時間と金がかかります。これを当初から見越してスケジュールを決めます。いま話題のラリージャパンもチームの輸送作戦から見てオーストラリアのパッケージと関連をつける以外になさそうです。ファクトリーチームは参加義務ありますがWRC2にはありません。WRC2カテゴリーに何台エントリーしてくれるか個人的には疑問を持っています。なぜならばWRC2チームは財政が豊かではないこと、日本にWRC2カテゴリーがないこと。もしラリージャパンが全日本戦と併催の場合には国内の一流選手は全日本戦カテゴリーに出場するでしょうから、国際カテゴリーはWRCカーにごくわずかの外国勢WRC2のみが参加する寂しいものになりそうです。 日本のラリー界も早く国際ルールでやってほしいと思います。
ポルトガルラリー概要は次のとおりです。
SS本数 | SS km | Liaison km | Total km | |
---|---|---|---|---|
L-1 (5/31) | 7 | 94.50 km | 435.44 km | 529.94 km |
L-2 (6/1) | 8 | 165.20 km | 489.88 km | 655.08 km |
L-3 (6/2) | 5 | 51.53 km | 224.62 km | 276.15 km |
Total | 20 | 311.23 km | 1149.94 km | 1461.17 km |
このところRC2カテゴリーでトミ・マキネンチームから出場の勝田貴元選手が活躍しています。以前に比べると完走率が上がり我慢すれば上位に入れるコツを見出しつつあります。今回ポルトガルにはRC2の参加台数が非常に多いのでその中で貴元選手がどのような走りを見せるか注目しています。チームスタッフを与えられて育成プログラムに乗っている選手はあまり多くないので、この恵まれた環境を充分に生かしてもらいたいと期待しています。
福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。
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