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この快挙に、中嶋総監督は「夢のようです!」と満面の笑み。一時は予選Q1での脱落が当たり前になるほど辛い時期も経験していただけに、久しぶりのフロントロー独占を心から喜んでいた。
しかし、レースは決勝結果が一番重要。そういう意味で、彼らにとってはスーパーフォーミュラで勝つことの難しさを感じる1戦となった。
スタート前のフォーメーションラップ時にはパロウのマシンの輪止めの外し忘れが原因で、作業禁止時間のタイミングにメカニックが取り外し作業を行った。そのためスタート手順違反の裁定が下されドライブスルーペナルティを受けた。
それでも、他を圧倒する速さをみせたパロウは、終始アグレッシブな走りを見せたが、18周目にホイールナットが緩むトラブルが見舞われストップ。リタイヤを余儀なくされた。一方、ポールポジションからスタートした牧野もトップ争いに食らいつく走りを見せていたが、26周目のスプーンカーブで右リアタイヤが外れるトラブルが発生。そのままタイヤバリヤに突っ込んでしまい、こちらもリタイアとなった。
前日の予選フロントロー独占から、一転して2台ともにリタイア……。
中嶋総監督はピットウォールエリアの放心状態のまま椅子にもたれかかり、しばらくその場を動こうとしなかった。このレースを制すことができれば、チームにとって9年ぶりの勝利だった。ここ数年はライバルチームが台頭している中で、ここでひとつ成績を残して“名門復活”を狙っていたのだが、その目論みが音を立てて崩れしまった瞬間。やりきれない思いが頭の中を駆け巡ったのだろう。
結局、レースはニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)が優勝、2位に山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、3位に山下健太(KONDO RACING)が入り、昨年の最終戦と同じ顔ぶれが表彰台を分け合った。
予選結果をみて“名門ナカジマレーシング完全復活”というレース後の吉報を心待ちにしていたファンも、きっと多かったことだろう。残念ながら……今回お預けとなってしまったが、それで“速さ”という部分ではライバルを寄せ付けないものを持っていた。それをひとつの好材料として次戦以降の奮起を期待したい。
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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