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そしてドゥカティは今季から投入された新型モデル「パニガーレV4 R」でまた新たな挑戦をすることに。これまたドゥカティの伝統であった2気筒のエンジンレイアウトを捨て、MotoGPマシン「デスモセディチ」で成功を収めたV型4気筒を採用してきました。スタンダードモデルは排気量約1100ccですが、レースのスーパーバイク規定では4気筒モデルの排気量が1000ccのため、ドゥカティはサーキット走行に主眼を置いた排気量1000ccのベースモデル「パニガーレV4 R」を発売。まさに「スーパーバイク世界選手権」で再び輝きを取り戻すために、あらゆる手を尽くして挑んできたわけです。
そんなニューモデルのポテンシャルやいかに?という部分が開幕戦の大きな注目ポイントでしたが、ニューマシンであること、エースライダーののチャズ・デイビスが怪我を負っていたこと、MotoGPから転向のアルバロ・バウティスタが市販車ベースのレースが初めてだったことなどを考慮すると、いきなりの活躍は難しいのではないかとも予想できました。しかし、答えは新設されたスーパーポールレースを含む3レースで見事なまでの独走劇に。あまりの速さにライバルたちは完全にお手上げ状態となってしまったのです。
確かにアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)はテストから好調でしたが、彼自身のアグレッシブさがタイムに反映されているようにも見えました。しかしながら、ドゥカティ「パニガーレV4 R」は圧倒的に有利な立場に居たとも言えます。というのも、車種ごとに設定されるレブリミット(回転数制限)を見てみると、カワサキ「ZX-10RR」の1万4600回転、ヤマハ「YZF-R1」の1万4700回転に対し、ドゥカティ「パニガーレV4 R」はなんと1万6350回転という高待遇。全てが新設計であるがゆえ(=性能が推し量れないため)、かなり優遇されました。それがあのストレートスピードの圧倒的な速さに繋がったと言えます。
レブリミットの数値はシーズン中に性能調整されて行くことになりますが、第2戦のタイ・ブリーラムでもドゥカティの速さは変わらないと考えてよいでしょう。コースがフラットで、長いストレートもあるブリーラムのコースではこのストレートスピードの速さは圧倒的な武器になるはずですから。
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