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モーター スポーツ コラム 2018年10月24日

いよいよ今週末!WTCR 第9戦 プレビュー

モータースポーツコラム by 平野 隆治
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コスト&スピードを下げるとなぜレースは面白い?

WTCR

多くのモータースポーツファンにとって、その魅力はスピード……という人も多いだろう。しかしWTCRは、スピードがすべてではないことを気付かせてくれる。WTCCではやや少なくなっていたバトルが大幅に増えているのだ。それは今季のJ SPORTSの放送内で気付いている方も多いだろう。

その要因は先ほども述べたとおり、若干スピードが下がったこと、そしてコストが下がったことにある。スピードの要因はダウンフォースにあるが、そのダウンフォースが減ったことで前走車に仕掛けやすくなり、また判断の余裕が生まれるために横に並びやすくなる。

またコストについては、接触しないに越したことはないのだが、接触してもマシンのパーツが“消耗品”であるために、かつて“ケンカレース”と呼ばれた接触してでも抜く以前のWTCCのスタイルが蘇りつつあるのだ。

余談だが、以前鈴鹿でWTCCが開催されていた頃、筆者がピット裏で取材のためにドライバーを待っていると、スペイン人メカニックが「これ、欲しいか?」となんとWTCCマシン(当時はTC2規定)のサイドのドアを差し出してきたことがある。

そのマシンは予選でクラッシュしていたため、大きく凹んでいたそのドアはもう無用のものだったのだ。カーボンのレーシングカーならこうはいかないだろうし、ツーリングカーレースのマシンとは“接触は当然”のものなのだ……と理解できた瞬間だった。ちなみにドアは、持ち帰れないのでもらわなかったが。

ヒュンダイ勢に迫るのは……!? シビック勢の戦いに期待

WTCR

そんな2018年のWTCRだが、これまでWTCCに出場していたトップドライバーたちはもちろん、TCRインターナショナル・シリーズに出場していた若手・中堅どころが出場しており、魅力あるドライバーラインアップとなっている。彼らは“どこからでも抜きに行く”バトルを常に展開しており、鈴鹿でも国内のシリーズではなかなか見られないようなオーバーテクやバトルが見られるはずだ。

今季について言えば、強さを発揮しているのはイバン・ミューラー・レーシングとBRレーシングが走らせるヒュンダイi30N TCRだ。ドライバーもWTCCチャンピオン経験をもつテッド・ビョークやイバン・ミューラーなどトップクラスで、鈴鹿でも優勝を争ってくるのは間違いない。

これに対抗するのは、ブーツェン・ジニオン・レーシングやミュニッヒ・モータースポーツが走らせるホンダ・シビック・タイプR・TCR勢だろう。またアウディRS3 LMS勢、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRを駆るドライバーたちも強力で、大混戦が予想される。

ただホンダ勢は、地元鈴鹿でいい走りをみせたいドライバーも多いはず。特にWTCC時代からホンダで戦うエステバン・グエリエリや日本での経験が長いトム・コロネル、そして昨年負傷してから、今回の鈴鹿で復帰戦となるティアゴ・モンテイロなど、この一戦にかけるドライバーも多い。彼らの奮闘に期待したいところだ。

今回の日本ラウンドは、己の速さを追求する全日本スーパーフォーミュラ選手権との併催レースということで、ある意味WTCRとは対局のレースを楽しめるはず。速さか、バトルか。どちらもモータースポーツの本質だが、その究極のふたつを一日で楽しめることになる。J SPORTSでも、その両者の魅力を体感できるはずだ。

平野 隆治

平野 隆治

1976年横浜市出身。モータースポーツ専門誌、サイトの編集部員を経て、2015年からモータースポーツを中心にした“自称なんでも屋”に転身。SUPER GTは10年以上ほぼ全戦現地で取材をこなしてきた。

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