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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2020年10月26日

全国高校サッカー選手権東京B準々決勝 駿台学園×都立東久留米総合@清瀬内山G

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駿台×久留米.JPG初の頂点を狙う実力校と、連覇に焦点を定めている都立の雄の対峙。駿台学園と都立東久留米総合のクォーターファイナルは、清瀬内山グラウンドです。

"都内屈指のお調子者集団"として西が丘まで駆け上がったのは2年前。ピッチ内外で話題を振り撒き、その名を多くの人に知らしめることに成功した駿台学園。今年のチームは立ち上げの新人戦こそ地区予選敗退を強いられたものの、今大会では力強く1次予選を勝ち抜くと、2次予選でも初戦で暁星を2-0、2回戦で日本学園を1-0と、難敵を相次いで撃破して西が丘へ王手。「こういう状況下で一戦一戦やらせてもらっているのは凄くありがたいことですし、楽しんで毎週を送れているのも凄くありがたいです」とは大森一仁監督。先を見過ぎず、まずは目の前の一戦へ全力で向かいます。

目白研心、国士舘、関東第一、東海大高輪台と強豪揃いのブロックをすべて1-0で制して、8年ぶりとなる冬の全国切符を掴んだ昨シーズンの都立東久留米総合。ほとんどの主力が入れ替わって迎えた今大会は、初戦でいきなり実現した都立駒場との因縁対決を延長の末に1-0でモノにすると、先週の2回戦もPK戦で早大学院を振り切って、再び今年もクォーターファイナルまで。同校初の東京連覇に向けて、勢いは十分です。会場の清瀬内山グラウンドは秋口とは思えないポカポカ陽気。楽しみな好カードは10時ジャストにキックオフされました。

まずはお互いにセットプレーで窺うゴール前。1分は駿台学園。去年からレギュラーを務める本田颯大(3年・駿台学園中)が左CKを蹴り込むと、中央でオフェンスファウル。3分は東久留米総合。こちらは右サイドで獲得したCKをレフティの左サイドバック横田朝陽(3年・TACサルヴァトーレ)が蹴るも、駿台学園のGK内堀詩音(2年・LARGO FC)がパンチングで回避。双方が1つずつチャンスを創り合って、ゲームが立ち上がります。

そんな序盤から徐々にリズムを掴んだのは「毎試合毎試合勝ってきたのが自分たちの自信になっていますね」とキャプテンの上野弥伽山(3年・LARGO FC)も話した駿台学園。7分には本田のパスから山畑潮音(3年・駿台学園中)のシュートは、東久留米総合のキャプテンを託されている五賀駿也(3年・JACPA東京FC)にブロックされましたが、2トップで流れの中からフィニッシュを生み出すと、引き寄せた歓喜もこの2人によって。

19分。右サイドでボールを溜めた山畑は、そのままクロス。「自分の欲しい形でボールが来たので、後はもう左足で当てるだけ」とジャッジした本田が反転しながら叩いたボレーは、豪快にゴールネットを揺らします。「日頃から仲が良くて、それがサッカーにも良い形で連携が出ていたと思うので良かったです」と本田も言及する、中学時代からの2トップがきっちり結果を。駿台学園が1点のリードを奪いました。

26分には駿台学園に追加点のチャンス。左サイドでボールを持った鶴岡飛嘉(2年・FC渋谷)がスルーパスを通すと、少し時間を創った齋藤一輝(3年・東川口FC)のシュートは東久留米総合のGK大野優音(3年・インテリオールFC)がファインセーブで回避したものの、2トップと両サイドハーフの推進力は大きな脅威に。

さて、早く1点を返したい東久留米総合。35分には岩本帆流風(3年・FC杉野)の右クロスを重野玲音(3年・バディーSC)がヘディングで残し、走った栗原滉(2年・荒川第九中)はわずかに届かず内堀にキャッチされましたが、2トップで惜しい形を。37分にも重野の左CKに、センターバックの三浦楓太(3年・S.T.FC)が合わせたヘディングは内堀がきっちりキャッチ。40+1分に権田が蹴った右CKはゴール方向に向かうも、クロスバーにヒット。やや前回王者が盛り返す流れの中で、前半は駿台学園がリードしたまま、40分間が終了しました。

後半もまずは東久留米総合にチャンス。43分に左に開いた重野が中央へ折り返し、最終ラインから走り込んだ三浦はシュートまで至りませんでしたが、センターバックが最前線まで駆け上がる積極性を。43分にも岩本を起点に、ドイスボランチの鮎川颯太(3年・クリアージュFC)と西郷薫(2年・調布FC)を経由して、藤瀬愛斗(3年・FC PROUD)が枠へ飛ばしたシュートは内堀がキャッチしたものの、同点の可能性は十分。

やり返したい駿台学園は45分、ボランチの梅原壮太(2年・田口FA)からボールを引き出した本田がシンプルに裏へ。抜け出した山畑の1対1はゴール右へ外れるも、47分にも相手CKからのカウンターで右サイドを運んだ本田がクロス。ニアに飛び込んだ山畑のシュートは、ここも枠を捉えられませんでしたが、今度は山畑のチャンスメイクが確かな成果を。

49分。ここも綺麗なカウンターから左サイドを山畑が独走。マーカーを引き付けてから右へラストパスを繰り出すと、齋藤はGKと1対1に。「コースを3か所迷って、右か、浮かすか、左か。それで自分は『浮かせた方が決められる確率が高いかな』と思ったので」ループ気味に放ったシュートは、柔らかくゴールネットへ弾み込みます。2-0。点差を広げると、直後の主役も再び7番。

51分。左サイドで駿台学園が獲得したCK。鶴岡が鋭いボールをファーへ届けると、右サイドバックの須藤颯翔(2年・アミーゴFC)は完璧な折り返し。「良い所にボールが来たので、当てて思い切り打つだけでしたね」と振り返る齋藤のジャンピングボレーは、ゴールネットへ鮮やかに突き刺さります。「来たボールを自分が決めれば、絶対にチームは勝てるので」と話した齋藤はこれでドッピエッタ。3-0。さらにスコアは開きます。

苦しくなった東久留米総合は、52分に1人目の交替として栗原を下げ、桑鶴匠允(3年・ZION FC)を投入。53分には駿台学園も1人目の交替。3点目をアシストした須藤と大熊悠希(2年・LARGO FC)をスイッチして、守備の安定感向上に着手。58分は東久留米総合。サイドバックの佐藤匠(3年・田口FA)も関わった右サイドの仕掛けから、桑鶴のシュートは内堀がファンブルしたものの、重野のシュートは内堀がここはがっちりキャッチ。反撃弾とは行きません。

60分に2枚目のカードとして10番の池田海音(3年・FC.NACIONAL)を送り込んだ東久留米総合は、61分にビッグチャンス。重野の突破から、こぼれを収めた岩本のシュートはDFが弾き、さらに西郷が打ったシュートもDFがブロック。65分に駿台学園は2人目の交替として、足の攣った山畑と田代悠馬(2年・駿台学園中)を入れ替えるも、67分はまたも東久留米総合。重野の左CKから、中央にこぼれたボールに佐藤が反応して狙ったシュートは、ここもDFが決死のブロック。68分にも西郷のパスから、三浦が叩いたミドルは枠の左へ。右から大熊、池上寛大(2年・フレンドリー)、杉浦慶太(3年・駿台学園中)、印南佐介(2年・田口FA)で構成された4バックを中心に、「自分たちもどんどん良くなってきているのは実感しています」と上野も言い切る駿台学園の堅陣は揺るがず。

70分の駿台学園3枚目のカードは成田碧透(3年・駿台学園中)。73分の東久留米総合3枚目のカードは澁谷薫(3年・FC府中)。75分は東久留米総合。権田の左クロスから、池田が合わせたヘディングはクロスバーの上へ。80分に駿台学園は4人目の交替として、若色誠人(2年・フレンドリー)を送り込み、いよいよゲームクローズに着手。

80+1分に石川皓大(3年・品川荏原第一中)と江守伊吹(3年・OLE国立)と2人の3年生をピッチへ解き放ち、一矢報いたい東久留米総合は、右CKを澁谷が蹴り込むも、石川のヘディングは枠の上へ。80+2分にも三浦のFKから、ルーズボールを収めた池田のシュートは枠を越えてしまい、どうしても1点に届きません。

大トリを飾ったのは途中出場の2年生フォワード。80+5分。駿台学園の完璧なカウンターが炸裂し、抜け出した田代が放ったループシュートはきっちりとゴールネットへ飛び込みます。ファイナルスコアは4-0。「ちょっとビックリしています。こんな展開になるとは思っていなかったので。3年生がメンバーに少ないんですけど、頑張ってくれているので、そこが一番大きいかなと思います」と大森監督も3年生を称えた駿台学園が、衝撃的な快勝で2年ぶりの西が丘を手繰り寄せる結果となりました。

「本当にコイツらには申し訳ないですけど、2年前の完成度には全然足りていないとずっと言い続けてきて、でも、言い続けてきたらここまで来ちゃったから『オマエ、ウソじゃん』みたいな顔をしているし(笑)」といつもの"大森節"を振るう指揮官ですが、この日披露した攻撃力は間違いなく本物。守備陣も3戦連続無失点と、攻守の歯車ががっちり噛み合っている印象です。

「去年は関東予選で久留米に負けていて、自分もその試合に出ていたので、個人的にもやり返したい気持ちも強くなって、気持ちが前面に出て勝てたかなと思います」と話した本田が、続けて「2年前のチームは自分たちも憧れとしていた所で、スタンドで見ていて『いいなあ』と思っていました。自分の代で正直ここまで来れるとは思っていなかったんですけど、来たからにはあの代を超えて、駿台で一番良い成績を残したいですね」ときっぱり言い切れば、「今は西が丘の実感というものがあまりないですけど、ピッチに立った時に実感すると思いますし、やっぱりやるからには憧れの2個上の先輩を超えて決勝に行って、そのまま全国に勝ち上がっていきたいです」とキャプテンの上野も強気の意気込みを。駿台学園が西が丘のピッチに帰ってきます。

土屋

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