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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

2019年04月13日

関東大会予選東京2回戦 駒澤大学高×都立南葛飾@駒沢第2

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昨年度の選手権予選でも対峙した両者が、桜咲くこの季節にリターンマッチ。駒澤大学高と都立南葛飾の2回戦は駒沢第2球技場です。
國學院久我山、駿台学園、帝京と強豪を相次いでなぎ倒し、3年ぶりの全国へと辿り着いたものの、開幕戦ではPK戦で那覇西に敗れる悔しい幕切れとなった昨シーズンの駒澤大学高。迎えた今シーズンの目標を問われ、「東京4冠というのを立てたので、それを達成できるようにしたいですね」と言い切るのは時田悠人(3年・Y.S.C.C.横浜 U-15)。T1リーグではここまで2勝1敗と白星先行で臨むこのゲーム。掲げた目標に向けて負けられない80分間へ向かいます。
昨シーズンはインターハイ予選、選手権予選で共に支部予選と1次予選を勝ち上がり、きっちり都大会まで進出。前者は私立武蔵に惜敗し、後者は今回の対戦相手に当たる駒澤大学高に0-6と屈しましたが、確実に存在感を高めつつある都立南葛飾。新チームも11月の新人戦で開成と都立葛飾野を撃破し、堂々と関東大会予選へと勝ち上がっており、余勢を駆って先週の初戦でも都立南平を3-0で下して、この2回戦まで。半年前のリベンジを成し遂げるべく、強敵相手の大事な一戦に挑みます。会場の駒沢は時折風が吹くと、まだ少し寒さも感じるコンディション。第1試合は南葛飾のキックオフでスタートしました。

開始早々の決定機は3分の駒澤。ルーズボールを拾った小林蒼太(3年・Forza'02)のミドルは、本人も「入ったかなって一瞬思った」ほどの軌道で枠を捉えるも、南葛飾のGK堀井大之(3年・墨田寺島中)がファインセーブで回避。その左CKを時田が蹴り込み、合わせた佐藤海来(2年・杉並アヤックスU-15)のヘディングはゴール右へ外れましたが、まずは駒澤が勝利への意欲を前面に打ち出します。
ただ、「リベンジでたぶん相当気持ちが入っていましたね」と駒澤の大野祥司監督も話したように、南葛飾は右から中野涼介(3年・葛飾堀切中)、鳥飼蓮太(3年・葛飾新宿中)、松宮歩(3年・葛飾新宿中)、青山裕樹(2年・葛飾葛美中)で組んだ4バックを中心に、高い集中力で確実に相手のアタックへ対応。11分に駒澤の左サイドバックに入った手島大雅(3年・FCヴィエンタス)のロングスローから、佐藤のヘディングはDFが体を寄せて枠の上へ。18分に右CKのこぼれを、キッカーの時田が入れたクロスは堀井がキャッチ。19分にも手島の左ロングスローは松宮が大きくクリア。シビアなエリアでは、相手に思うようなプレーをさせません。
少し嫌な流れが漂う中で、その雰囲気を一掃したのは「試合前からどんどんシュートを打っていこうという話はしていた」と口にしたゲームキャプテン。20分にここも手島が左からロングスローを放り込むと、ルーズボールにいち早く反応した小林蒼太は右足で思い切り良くボレー。左スミを襲ったボールはゴールネットへ突き刺さります。「『打つしかないかな』ってこぼれてきた時点で打つことを決めました」という小林蒼太の一撃には、指揮官も「1本目と同じような感じで2本目をちゃんと決めたので、アレは大したものだなとは思います」と確かな評価を。駒澤が先にスコアを動かしました。
追い掛ける展開となった南葛飾は、23分に左サイドでFKのチャンスを掴むも、キャプテンの杉浦理仁(3年・KSCウェルネスFC)が蹴ったFKはシュートまで至らず。すると、次の得点も駒澤に。29分。左から時田がCKを蹴り入れ、ルーズボールを右サイドで収めた森田陸翔(3年・クラブ与野)はすかさずアーリークロス。飛び込んだ清水宏晃(3年・C.A.アレグレ)のボレーは、鮮やかに右スミのゴールネットを揺らします。大野監督が「アイツがTリーグや公式戦でやれるようになってくると」と期待を寄せる清水がしっかり結果を。点差は2点に広がります。
一気呵成の赤黒軍団。33分。左サイドで獲得したCK。昨シーズンからプレースキッカーを託され、自らも「キックの部分に自信はあります」と語る時田が鋭いボールを放り込むと、うまく合わせた佐藤のヘディングはDFも掻き出し切れず、ゆっくりとゴールへ収まります。10番のアシストから、9番のストライカーも結果を1つ。3-0。止まらない駒澤の勢い。
34分も駒澤。ボランチの内田哲平(3年・坂戸ディプロマッツ)が縦に付け、反転した時田のシュートはクロスバーにハードヒット。37分は南葛飾。カウンターから左サイドハーフの小日向椋太(3年・葛飾大道中)がぐんぐん運び、青山が上げたクロスは駒澤のGK三浦健太(3年・S.T.FC)ががっちりキャッチ。40分は駒澤。南葛飾のDF同士がクリアを当て合ってしまい、こぼれを強奪した佐藤はGKを外してシュートを流し込むも、懸命に戻った鳥飼がライン上でクリア。40+1分も駒澤。時田の右CKに内田が競り勝ったヘディングは枠の上へ。前半は「苦しみながらあそこで先取点を取れたのは大きかったと思うんですけどね」と大野監督も先制点の効果を強調した駒澤が、3点のアドバンテージを握ってハーフタイムに入りました。

後半はスタートから駒澤に交替が。清水に替えて、青木優音(2年・クラブ与野)を左サイドハーフに送り込み、その位置にいた小林蒼太が右サイドハーフへスライドして、残された40分間への準備を整えると、42分に時田の右FKからセンターバックの小林泰晟(3年・FCクラッキス松戸)が狙ったシュートは堀井にファインセーブで阻まれたものの、直後に生まれた4度目の歓喜。
43分。「決して上手そうに見えないんですけど効いているんですよ。あの縦パスが結構効いてると思うんですけどね」と大野監督も言及したボランチの森尾波月(2年・インテリオールFC)がその"縦パス"を入れると、佐藤が残したボールを時田は左足でフィニッシュ。軌道は右ポストの内側を叩いて、ゴールネットへ吸い込まれます。「持ち出して相手を剥がせたので、思い切って蹴ったら良いコースに飛びました」という10番が自ら得点を。スコアは4-0に変わります。
45分も駒澤。手島の左ロングスローから、ニアで小林蒼太が当てたヘディングはゴール左へ。49分も駒澤。小林蒼太が右クロスを上げ切り、こぼれを森尾が左足で叩いたミドルはわずかに枠の左へ。51分も駒澤。時田を起点に小林蒼太がクロスを放り込み、内田のヘディングは右ポストを直撃。52分に内田と林駿佑(3年・クラブ与野)の交替を挟み、54分も駒澤。入ったばかりの林が丁寧なスルーパスを通し、抜け出した佐藤の1対1は、飛び出した堀井が懸命のファインセーブ。さらなる追加点とはいきません。
何とか流れを変えたい南葛飾も56分に1人目の交替。中野を下げて、大塚俊祐(2年・両国FC)をそのまま右サイドバックへ投入すると、58分には鋭い攻撃の形が。杉浦がさすがの視野で右サイドへ素晴らしいパスを送り、走った熊田眞士(3年・KSCウェルネスFC)のクロスに3列目から佐々木一吹(2年・VIVAIO船橋)が飛び込むも、わずかに届かず。思わず天を仰ぐピッチとベンチ。
59分は再び駒澤。手島が投げたこの試合5本目の左ロングスローから、時田が打ったボレーは堀井がビッグセーブで応酬しますが、60分に3人目の交替として佐藤と大岡忠義(3年・フレンドリー)をスイッチすると、1分後に輝いたのは「一応志願してその番号を付けているので、より責任感が生まれて、良い意味で自分にプレッシャーが掛けられています」と笑顔を見せたナンバー10。61分にピッチ中央でボールを拾った時田は、「自分が持った時に前の動き出しが良くて、左側にドリブルのコースが空いたので」自ら運びながら左足シュート。ゆっくり転がったボールは、そのままゴールネットへ到達します。「左足はあんまり得意じゃないんですけど、珍しいですね(笑)」という時田は、2ゴール共にその左足で。駒澤に5点目が記録されます。
交替選手も出したい結果。63分に森田のパスを受けた大岡は、マーカーを背負いながら強引にシュート。堀井が弾き出したこぼれを、森田がダイビングヘッドで狙うと、ここも堀井が冷静なキャッチで凌ぎますが、直後に南葛飾ベンチは熊田と佐々木に替えて、鈴木潤(3年・江戸川小松川第二中)と小俣佳輝(3年・江戸川篠崎第二中)を投入する2枚替えを敢行するも、次の咆哮も赤黒に。
65分。右サイドから小林蒼太がクロスを入れると、点を取りたい意欲満々の森田がシュートを打ち込むも、ここは必死にカバーしたDFにライン上でクリアされましたが、大岡が足を伸ばしてプッシュしたボールはDFも掻き出せず、ゴールネットへ届きます。チーム屈指の"愛されキャラ"の一撃で、さらにボルテージの上がった駒澤応援団。6-0。スコアは半年前とまったく同じ数字となりました。
68分は駒澤に4人目の交替。2ゴール1アシストの時田を下げて、松本悠佑(3年・ジェフユナイテッド千葉U-15)がドイスボランチの一角へ。同じく68分には南葛飾も4人目の交替。ボランチで奮闘した河内尚斗(3年・葛飾高砂中)と掛川隼斗(2年・足立第十三中)を入れ替え、図りたい中盤のテコ入れ。74分は南葛飾にチャンス。小俣が縦パスを打ち込み、1トップの渡邉宣貴(2年・葛飾葛美中)が抜け出し掛けるも、手島がパーフェクトなカバーでスイープ。どうしてもシュートまで持ち込めません。
75分はお互いに5人目の交替。駒澤は手島から吉田舜(3年)へ、南葛飾は渡邉から坂本瑠(2年・葛飾新小岩中)へ繋ぐ最後のバトン。78分は駒澤。松本の左CKから小林蒼太が粘り、林のシュートは堀井がこの日6度目のファインセーブで仁王立ち。79分も駒澤。ここも松本の左CKから、ルーズボールを小林蒼太が打ったシュートはゴール左へ。80+1分も駒澤。森田のパスを引き出した大岡は、1人外して左足でシュートを打ち切るも枠の左へ。80+3分も駒澤。森田の右ロングスローから、松本が叩いたミドルがDFにブロックされると、これがこのゲームのラストシュート。「自分たちで勝ち切る所までというのを目標にしているので、今日はそれができたので良かったかなと思います」と時田も話した駒澤が、初戦を力強く勝ち切る結果となりました。

駒澤は伝統的に選手権予選前に正式なキャプテンが決まるため、現時点では"ゲームキャプテン"に近い選手がキャプテンマークを巻くことになりますが、以前大野監督にキャプテンの話を伺った際、「彼らが選手たちで選ぶんだったら小林蒼太か松本じゃないですか。その2人は人間的に間違いないと思います」とおっしゃっていた中で、この試合でその腕章を纏っていたのは小林蒼太。本人にそのことを尋ねると、「正直あまりやりたくなかったんですけど、いろいろな人と話をしたら、最近は『自分がやらなきゃいけないのかな』という感じがして、昨日何人かに『明日から自分でいいか?』ということを聞いたら、『いいんじゃない』と言ってくれたので、とりあえず関東が終わるまでは自分がやろうかなと思います」ときっぱり。"Forza'02"という前所属もかつてのキャプテンたちを思い出す要素。そのあたりの今後も注目していきたいと思います。         土屋

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