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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2018年06月10日

インターハイ東京2回戦 都立東大和南×成立学園@東久留米総合G

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10610kurume.JPG新鋭のサザンクロスと強豪のゼブラ軍団が激突する、東京8強を懸けた好カード。都立東大和南と成立学園の2回戦は東久留米総合高校グラウンドです。
選手権予選は一昨シーズンがベスト4で、昨シーズンがベスト8。もはや都大会常連として、東京でも存在感を高めつつある都立東大和南。迎えた今シーズンの関東大会予選は、いきなり初戦でぶつかった東海大高輪台との一戦を1-0で制すると、結果的にチャンピオンになる関東第一にも、敗れたものの0-1と善戦。今大会も一次トーナメントで中大附属を1-0で下し、二次トーナメント初戦でも難敵の都立東久留米総合相手を、4-1という衝撃のスコアで倒してこのステージまで。絶対的なエースの世継昭斗(3年・横河武蔵野FC JY)を負傷で欠くのは懸念材料ですが、2年ぶりの準々決勝進出まではあと1勝です。
インターハイは3年、選手権は12年に渡って全国出場から遠ざかっている成立学園。今シーズンは五十嵐和也監督が新指揮官に就任し、センターバックの照山颯人(3年・柏レイソルU-15)、フォワードの窪田稜(3年・S-P FUTE U-15)と攻守の要を筆頭に、昨年からの主力も複数残っている勝負の年。関東大会予選では準々決勝で帝京に0-1で屈しましたが、今大会は一次トーナメントで都立葛飾野を5-0、二次トーナメント初戦で都立立川を7-0と大差で退けて2回戦へ。「去年以上に点を取って、インハイでも全国に自分が導けたらと思います」と意気込むのは窪田。さらに先へと繋げるための大事な80分間に挑みます。清瀬の上空からはポツポツと雨粒も。楽しみな一戦は10時ジャストにキックオフを迎えました。


双方がやや慎重に立ち上がる展開の中、先に決定的なシーンを創ったのは成立。12分に左サイドで大野秀和(3年・FCゼブラ)が粘って残し、吉長真優(2年・FC府中)がエリア内から放ったシュートはGKを破るも、東大和南のセンターバックを任された八谷優太(3年・FC.GONA)がヘディングでスーパークリア。13分にも八木橋俊介(3年・青森山田中)の縦パスを窪田が落とすと、高木健匠(3年・横浜F・マリノスJY)のシュートは枠を越えましたが、照山も「入りは結構自分たちのペースだった」と話したように、まずは成立が手数を繰り出します。
16分は東大和南にファーストシュート。左サイドでボールを受けた岩瀬優太(2年・AZ'86東京青梅)が、カットインしながら枠へ収めたシュートは、成立のGK大野来生(2年・伊勢ソシエタ)がきっちりセーブ。直後の左CKを岩瀬が蹴り込み、木瀬瑛(2年・八王子椚田中)が競り勝って生まれた混戦も、シュートには至らなかったものの、中盤の宮崎亘弥(3年・町田JFC)、岩瀬、渡辺幹太(3年・POMBA立川FC)のトライアングルを中心に、少しずつ東大和南にも攻撃のリズムが。
ところが、18分は成立の決定機。吉長のスルーパスに、スピードスターの窪田が完全に抜け出すも、ここは果敢に飛び出した東大和南のGK磐井雄真(3年・FC.GONA)が窪田のシュートをビッグセーブでストップ。19分にも素晴らしいパスワークから、高木のラストパスに窪田が飛び出し、GKをかわしに行ったものの、素早く安達智哉(3年・西東京田無第四中)、井出弦洋(2年・FC.VIDA)、八谷、濱海人(3年・昭島清泉中)と4バック全員がエリア内まで帰り、窪田もシュートを打ち切れず。先制とは行きません。
21分も成立。左から窪田が右足で上げたクロスを、トラップで止めた吉長のシュートはヒットせず。30分も成立。左サイドバックを務める原豪汰(3年・三菱養和調布JY)のスローインから、高木のカットインシュートは枠の左へ。32分は東大和南。GKの位置を見ながら、高橋直哉(2年・POMBA立川FC)がトライした40mミドルは枠の左へ。33分は再び成立。左サイドを運んだ窪田がGKを外して中へ送るも、八木橋のシュートは無人のゴールの右外へ逸れ、37分に原が打ったミドルもゴール左へ。「決め切る所で決め切れなかったですね」とは照山。前半の40分間はスコアレスでハーフタイムに入りました。


後半のファーストチャンスはいきなりの決定機。成立が42分に獲得した左CK。レフティの原がストレートボールを蹴り込むと、高い打点で頭に当てた西尾将吾(3年・グラマードNFC)のシュートはゴールに向かうも、カバーに入ったDFがライン上で必死に掻き出します。この日2度目のスーパークリアには、場内からもどよめきが。東大和南の続く高い集中力。
47分の主役は「去年は点を決めればいいだけだったんですけど、今年はチームを引っ張りながらちゃんと点を取りたい」と言い切るナンバー10。右サイドに開いた大野秀和が中へ戻すと、ハーフスペースに潜った窪田は「キーパーが結構前に出てきていたので、思い切り振り抜きました」と右足一閃。地を這うボールはゴールネットへ豪快に突き刺さります。まさに"3度目の正直"で結果を出した窪田のゴラッソ。成立が先にスコアを動かしました。
追い掛ける展開となった東大和南は、48分に1人目の交替。井出に替えて、岡本健吾(3年・青梅第二中)をボランチへ送り込み、宮崎は1列下がってセンターバックへ。52分は成立。吉長の左クロスを八木橋が落とし、大野秀和が打ったシュートはゴール右へ。55分も成立。左CKのこぼれをキッカーだった原は再びクロスに変え、ニアに入った八木橋のシュートは枠の上へ。56分も成立。豊田優磨(2年・成立ゼブラFC)のオーバーラップから得た右CKを原がファーまで届け、吉長のボレーは左サイドネットの外側に。60分も成立の得点機。エリア内で粘り強くキープした窪田の枠内シュートは、磐井がファインセーブで応酬。1点差のまま、後半も半分の時間が過ぎ去ります。
62分に東大和南は2人目の交替を決断。渡辺を下げて、横川巽(2年・AZ'86東京青梅)をピッチへ解き放ち、打ち出したいアタックへの意欲。直後の62分には岩瀬のFKに木瀬が頭で競り勝つも、走った山口陽大(3年・FC府中)はわずかに届かず、大野来生にキャッチされましたが、後半のファーストチャンスに滲ませる同点への強い想い。
それでも次に歓喜の瞬間を迎えたのはゼブラ軍団。64分に「足元にも結構自信があります」という照山が好フィードを右のハイサイドに送り込むと、走った高木はそのまま加速しながら中央へラストパス。突っ込んだ吉長のシュートは確実にゴールネットを揺らします。「後半は前から行けて、自分たちのゲームができたんじゃないかなと思います」と話した照山を起点に、2年生アタッカーが見事に結果を。成立のリードは2点に変わりました。
一気に動き出したゲーム。65分は東大和南。横川の仕掛けで得た左CKを岩瀬が入れるも、照山がきっちりクリア。66分は成立。右サイドを切り裂いた高木のシュートは、右のポストにハードヒット。直後の66分も成立。原の左CKはファーに流れ、西尾の右クロスに合わせた吉長のバイシクルは枠の右へ逸れるも、ダイナミックな好トライ。67分は東大和南。左サイドバックの濱が懸命に運び、折り返したボールを高橋はダイレクトで枠へ収めるも、大野来生が丁寧にキャッチ。69分は成立に追加点のチャンス。原の右CKが中央にこぼれると、照山は自ら「アイデアは良かったと思います」というGKを外したループを選択しましたが、カバーに入ったDFはここもライン上でスーパークリア。点差を広げさせません。
残された時間は10分間。差し掛かった最終盤も攻勢は成立。70分に八木橋とのワンツーで抜け出した吉長のシュートは、わずかに枠の右へ外れてドッピエッタならず。74分は東大和南に3人目の交替。山口と四条雄介(2年・AZ'86東京青梅)を入れ替え、前線には安達も上げて4トップ気味で最後の勝負へ。75分は成立。大野秀和が右へ流し、八木橋のループはわずかに枠の左へ外れると、直後に高木と三上昂佑(3年・成立ゼブラFC)を、76分に吉長と工藤星輝(2年・成立ゼブラFC)を相次いでスイッチ。バランスを整え続ける原田歩夢(3年・成立ゼブラFC)を軸に、中盤の強度をアップさせつつ、取り掛かるゲームクローズ。
10番が見せた"2点目"への執念。79分に左サイドを突破した窪田は、そのままシュートまで持ち込むも、八谷が体でブロック。その左CKを原が蹴り入れると、窪田のヘディングはクロスバーの上へ。80+1分は東大和南にCKのチャンス。184センチの磐井もエリア内まで上がったものの、岩瀬が右から蹴ったボールはクリアされ、一転して成立のカウンターに。少し持ち出して遠めから狙った窪田のシュートは、全力で戻った磐井がヘディングで掻き出し、さらなるゴールは生まれませんでしたが、ファイナルスコアは0-2。「今日も勝ち切れたので、関東大会の頃よりはチーム状況も良くなっていると思います」と窪田も口にした成立が、関東第一の待つ準々決勝へと勝ち上がる結果となりました。


成立は関東大会予選も含め、今シーズンのトーナメントコンペティションでは、6試合を戦ってわずか1失点という抜群の堅守を誇っており、キャプテンの照山も「いつも自分たちのやっていることができたので、今日は問題なかったんじゃないかなと思います。前からも行けていたし、空中戦も勝っていたので、結構手応えはあります」と守備面の自信を口に。そこが計算できるだけに、あとはエースの窪田が爆発するタイミングを待っている所でしょうか。次に対峙する関東第一は、4月末のT1リーグで勝利を収めたものの、昨年度の選手権予選ファイナルで敗れた相手でもあり、「去年の選手権は悔しい想いをしたので、来週はちゃんと勝ちたいなと思います」と窪田が話せば、照山も「もう自分たちのサッカーを突き通して絶対勝ちます」ときっぱり。注目のクォーターファイナルは17日。今日と同じ東久留米総合高校グラウンドがその舞台です。    土屋

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