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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2017年05月12日

T1リーグ2017第8節 関東第一×東京朝鮮@私学事業団G

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0511sigaku.JPG関東大会予選のセミファイナルでも激突した両雄のリターンマッチ。関東第一と東京朝鮮が対峙する好カードは新小岩私学事業団総合運動場です。
昨シーズンは夏も冬も東京を制して全国の舞台を経験したものの、その主力の大半が卒業した関東第一。新チームで挑んだ関東大会予選も都立高島を3-0で下すと、都立駒場に2-1、東海大高輪台には延長戦の末に1-0と2試合続けて粘り勝ち。準決勝では東京朝鮮に4-0で快勝を収め、2年ぶりの関東大会の出場権を獲得した上、決勝でも実践学園をPK戦で倒して、現在都内のトーナメントコンペティションは3大会連続でチャンピオンに。3連覇を目指すインターハイ予選に向けて、最後の公式戦となるこの90分間は勝利で弾みを付けたい所です。
リャン・ヒョンジュ(早稲田大)、キム・テウ(朝鮮大)という2人のU-19北朝鮮代表選手が卒業し、主力の顔ぶれも大きく変わった今シーズンは、T1リーグでも最初の5試合で1勝4敗となかなか結果が付いてこなかった東京朝鮮。ただ、迎えた関東大会は初戦で日大鶴が丘に6-0と大勝を収め、続く2回戦も難敵の東京実業を2-0で撃破。勢いそのままに準々決勝でも帝京との"十条ダービー"を2-1で制し、堂々ベスト4まで。「関東大会予選でやれたというのは自信になったと思います」と姜宗鎭監督。一定の手応えを携えて、リーグ2勝目を狙う一戦へ挑みます。前述したように、2週間前の関東大会予選のセミファイナルで対戦した時には関東第一が4-0で勝利しており、「このタイミングでポジティブに考えて、リベンジをできるという意味で『勝ちに行こう』と準備をしてきた」と姜監督も話したように、東京朝鮮にとってはモチベーション高く臨むゲームに。返り討ちか、リベンジか。楽しみな一戦は18時にキックオフされました。


まずは双方がセットプレーで窺うチャンス。6分は東京朝鮮。左からキム・ヒョンジュン(2年・東京朝鮮第一中)がロングスローを投げ込み、リ・リョンジェ(3年・東京朝鮮第一中)が突っ込むもシュートには至らず。7分は関東第一。左から小関陽星(2年・町田JFC)がFKを蹴り込むと、混戦の中からDFが何とかクリア。11分は東京朝鮮。左CKをホン・リジン(2年・東京朝鮮第一中)が蹴り入れるも、関東第一のGK北村海チディ(2年・GRANDE FC)がパンチングで回避。お互いにフィニッシュは取り切れません。
すると、関東第一にアクシデントが起きたのは14分。キャプテンの小野凌弥(3年・Wings U-15)がゴール前の接触で負傷し、プレー続行が難しくなってしまい、加藤陽介(2年・VIVAIO船橋)が急遽右サイドバックへ投入され、その位置にいた山脇樺織(2年・東急SレイエスFC)が右センターバックへ、右センターバックの関口聖人(2年・フレンドリー)が左センターバックへスライド。早くも1枚目のカードを切ることになってしまいます。
17分は関東第一。中盤で前を向いた小関が、思い切り良く枠へ収めた30mミドルは東京朝鮮のGKチュウ・サンホン(3年・神奈川朝鮮中)がファインセーブで回避。19分は東京朝鮮。左からホン・リジンが蹴ったFKは、中央と合わずゴールキックに。23分も東京朝鮮。キム・ヒョンジュンが投げ入れた左ロングスローはDFがきっちりクリア。24分は関東第一。途中出場の加藤が右サイドからスルスルと中央へ持ち上がると、3人をかわして左へスルーパス。重田快(3年・バンデリージャ横浜)はシュートを打ち切れませんでしたが、右サイドバックが見せ付ける高い技術。
ただ、以降は「絶対リベンジするみたいな話をしていた」とリ・ヒョンジェ(3年・東京朝鮮第一中)も明かした東京朝鮮ペース。29分にはリ・リョンジェ、プ・チウ(3年・東京朝鮮第五中)と繋ぎ、ホン・リジンが左足で狙ったミドルは枠の右へ。32分にも中央右寄り、ゴールまで約25mの位置で得たFKを、「僕が買っているのは攻撃の部分」と指揮官も口にしたホン・リジンが直接狙うもカベを直撃。40分にもキム・ヒョンジュンが左へ流し、ホン・リジンのクロスがこぼれると、チョン・リュンギョン(3年・東京朝鮮中)のミドルはゴール左へ外れるも好トライ。終盤に東京朝鮮がリズムを引き寄せた前半は、スコアレスで40分間を終えました。


後半はスタートから関東第一に2枚替え。右サイドハーフの古宇田旭(2年・横浜F・マリノスJY追浜)と前線の安原宝(2年・TACサルヴァトーレ)を下げて、今野綾仁(3年・フレンドリー)とルーキーの佐藤誠也(1年・VIVAIO船橋)を投入し、重田と村井柊斗(3年・FC多摩)が最前線へ。サイドハーフは小関が右、佐藤が左。今野は篠原友哉(3年・府ロクJY)とドイスボランチを組む格好で、残された45分間へ向かいます。
やや膠着した展開が続く中、先に歓喜を享受したのは東京朝鮮。65分にリ・リョンジェのドリブルで獲得したFK。右から10番を背負うムン・インジュ(3年・埼玉朝鮮中)が丁寧に蹴り入れると、「ちょうどマークをうまく外して走っていったらボールが来たので、誰よりも先に落下点へ入った」リ・リョンジェのヘディングは、右スミのゴールネットを確実に揺らします。「『頭にひざ蹴りが入った』って思って倒れたらみんなが喜んでいて、ゴールを見たら入っていたので、ゴールの瞬間は見ていないんです」と笑ったストライカーの先制弾。東京朝鮮が1点のリードを手にしました。
さて、ビハインドを追い掛ける展開となった関東第一ですが、なかなかスムーズなアタックを繰り出せません。左サイドの佐藤をアクセントに、少しずつ攻撃の回数は増え始めるも、複数人が絡んだコンビネーションは不足気味。73分には左から佐藤がFKを放り込むも、DFが確実にクリア。「ディフェンスラインは練習の時からいつも声を出して、ちゃんと連携ができているので、簡単には点を入れさせないようにしていましたし、手応えはありました」とはリ・ヒョンジェ。チョン・ユギョン(2年・東京朝鮮第一中)とリュウ・ユウォン(3年・千葉朝鮮中)のセンターバックコンビが中央を引き締め、相手にチャンスらしいチャンスを創らせません。
73分は東京朝鮮。ハン・ヨンギ(3年・東京朝鮮第一中)を起点に、ホン・リジンが右へ振り分け、キム・ヒョンジュンが上げたクロスはゴールラインを割るも、悪くないサイドアタックを。77分も東京朝鮮。ムン・インジュが最高のサイドチェンジを左へ送り、プ・チウのカットインシュートは北村がキャッチ。80分も東京朝鮮。GKの位置を確認したホン・リジンは、40m近いロングシュートを枠の右へ。「このゲームに対する気持ちはウチの方が高くなくてはいけないと言った」という姜監督の言葉を証明するようなパフォーマンスの続く東京朝鮮が1点のアドバンテージを握ったまま、残り時間は10分間とアディショナルタイムへ。
83分は関東第一に後半のファーストシュート。左サイドバックの嶋林昂生(3年・町田JFC)が素早くスローインを投げ込み、受けた村井が縦に持ち出しながら左足で叩いたシュートはわずかにゴール右へ。さらに90+2分には関東第一に決定的なシーン。篠原が右へ展開すると、1人かわして枠へ飛ばした村井のシュートはチュウ・サンホンがファインセーブで弾き出すも、詰めた重田がゴールネットを揺らして同点かと思われましたが、副審のフラッグが上がっており、オフサイドという判定でノーゴールに。直後に東京朝鮮はキム・リキ(3年・神戸朝鮮中)をクローザーとして送り込み、ゲームはそのままタイムアップ。「リベンジしたいと思っていたので、頑張れて良かったかなと思います」とリ・リョンジェも笑顔を見せた東京朝鮮が、ウノゼロで2週間前の借りを返す結果となりました。


「力は相手が上なんですけど、ウチは前の試合で悔しい想いをした選手が何人かいたので、そういう部分でチャンピオンとやれるということで、ポジティブに挑んで、良い結果が出たので良かったと思います」と姜監督も話した東京朝鮮はリベンジ達成。中でも前回対戦でオウンゴールを献上した『悔しい想いをした選手』の1人であるリ・ヒョンジェも「この間はオウンゴールしてしまったので悔しかったですし、『絶対点は入れさせない』とみんなで話していました。関東大会で優勝した相手に勝てたので良かったです」と笑顔で語ってくれました。彼らにとって悲願ともいうべき全国大会へ、ここ数年はあと一歩まで迫っているだけに、今シーズンこそはという気持ちは当然強いはず。「今年は特徴を持った選手があまりいないので、みんなの力で頑張るという形で全国を目指そうとしています」(リ・リョンジェ)「特別上手い選手もいないので、みんな一丸となって1つになってやっていると思いますし、インターハイも選手権も全国に出て、東京朝高の名前をもっと全国に知らしめたいと思っています」と奇しくも"双子"の彼らは同じようなフレーズを口に。インターハイ予選の東京朝鮮には要注目だと思います。       土屋

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