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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2017年04月05日

T1リーグ2017第5節 駒澤大学高×関東第一@駒沢第2

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0404koma2.JPG選手権で全国を経験した強豪同士が春休みに激突する好カード。駒澤大学高と関東第一の一戦は、おなじみ駒沢第2球技場です。
昨年の全国を経験した西田直也(3年・横浜F・マリノスJY追浜)と齋藤我空(2年・Forza'02)が相次いで離脱し、いわばまったくの"新チーム"でここまでのT1リーグを戦っている駒澤大学高。ただ、センターバック2人の離脱にも「ないものねだりをしてもしょうがないので、今ある状況でしっかりやっていこうと思っています」と話したのは、フォワードからセンターバックにコンバートされた米谷拓海(3年・FC東京U-15むさし)。ここまでは1勝1分け2敗と黒星が先行しているだけに、ここできっちり五分の星に戻しておきたい所です。
初めて出場した冬の全国では、開幕戦で野洲に1-0で競り勝ち、記念すべき初勝利を記録したものの、2回戦の正智深谷戦ではリードしていながら、1人多い後半終了間際にまさかの逆転を許し、悔しい幕切れとなった昨シーズンの関東第一。「確かに去年の代は凄かったですけど、自分たちの代は自分たちの代なので、チャレンジャーという気持ちを持ってやっています」と、昨年は夏も冬も全国の舞台に立った篠原友哉(3年・府ロクJY)が話したように、新たな目標を抱いて立ち上がった新チームは、ここまでT1で2勝2敗とイーブンの成績を。「選手権はお互いに出ていたので、駒澤さんは自分も結構意識していました」とは小関陽星(2年・町田JFC)。今後への自信を手にするためにも大事な90分間へ挑みます。会場の駒沢は花見客も多数訪れるようなポカポカ陽気。注目の一戦は関東第一のキックオフでスタートしました。


「最初は押し込まれていたと思います」と篠原が振り返ったように、まずリズムを掴んだのは駒澤。4分に左から椛澤陸(3年・Forza'02)が蹴り込んだFKに、飛び込んだ中村一貴(3年・FC東京U-15むさし)はシュートまで持ち込めなかったものの、果敢なトライを。5分には三浦利玖(3年・ミナトSC)の枠を捉えたシュートは、関東第一のGK北村海チディ(2年・GRANDE FC)が丁寧にキャッチ。12分に右から米谷が入れたFKに、萩原裕太(3年・町田ゼルビアJY)が合わせたヘディングはDFが何とかクリアしましたが、さすがの圧力を押し出した駒澤が良い流れで立ち上がります。
ただ、「駒澤は前からのプレスも凄かったので、最初は相手の裏に蹴ってラインを下げて、真ん中にスペースができれば『またパスが繋げるかな』と思った」とボランチの今野綾仁(3年・フレンドリー)が認めたように、15分過ぎからは"真ん中のスペース"をうまく活用し始めた関東第一に攻撃のテンポが。17分には篠原が左へ展開し、村井柊斗(3年・FC多摩)のシュートはDFのブロックに遭うも、篠原が残したボールを今野は枠越えミドルまで。ようやく出した手数は歓喜への呼び水。
19分にスコアを動かしたのは関東第一。小関を起点に村井を経由したボールを、篠原はここも左へ。開いて待っていた重田快(3年・バンテリージャ横浜)がマーカーを振り切ってマイナスへ折り返すと、古宇田旭(2年・横浜F・マリノスJY追浜)のシュートはDFと駒澤のGK大舘俊介(3年・杉並アヤックス)が続けてブロックしましたが、そのこぼれに反応した小関がボールをゴールネットへ押し込みます。「ああいうシュートはあまり決めたことがなかったですし、まだ今シーズンはTリーグで点を取っていなかったので嬉しかったです」という2年生レフティの先制弾。関東第一が1点のリードを奪いました。
少しずつ主導権を奪われつつあったタイミングで失点を喫した駒澤。21分にはサイドバックの黒瀬零央(3年・鹿島アントラーズつくばJY)を起点に右から中村がクロスを上げ切り、中央で収めた宮嵜龍飛(3年・町田相原FC)が放ったシュートはDFがきっちりブロック。28分にもミドルレンジで前を向いた萩原の積極的なシュートは、DFに当たって北村がキャッチ。手数は繰り出す中でも、なかなか上がらない攻撃のギア。
すると、次の得点を強奪したのもアウェイチーム。32分に右サイドで獲得したCK。「ニアに蹴るのが結構得意」という小関が、その狙い通りにニアへ蹴り込むと、突っ込んできた今野のヘディングは力強くゴールネットを揺さぶります。「新チームになってからほとんどゴールを決めていなかったんですけど、ただ当てればいいだけのボールが来て、当てて前を向いたらゴールに入っていたので最高でした」と笑った長身ボランチの貴重な一撃。両者の点差は2点に広がりました。
以降も攻勢は関東第一。41分にはセンターバックの山脇樺織(2年・東急SレイエスFC)が鋭いクサビを打ち込み、重田が落としたボールを古宇田が打ち切ったシュートは、DFにブロックされるもスムーズなアタックを。42分にサイドバックの鹿野祐人(3年・ジョカーレFC)のオーバーラップで得た右CKを、ここも小関が蹴ったボールはDFにクリアされましたが、44分には中盤でルーズボールを拾った篠原が思い切った左足ミドルを枠の上へ。駒澤も45+1分には右から中村がロングスローを投げ入れるも、関東第一の左サイドバックに入った嶋林昂生(3年・町田JFC)が確実にクリア。「最初は結構押し込まれていてもセンターバックとボランチを中心に守れていて、チャンスが傾けば絶対に行けると思っていた」という今野の言葉通り、15分過ぎからは一気にゲームリズムを引き寄せた関東第一が2点のリードを携えて、最初の45分間は終了しました。


後半は駒澤がスタートから一転して攻勢へ。46分に野中の左ロングスローから、こぼれを叩いた椛澤のシュートは篠原がブロックしたものの、48分には中村が倒されて獲得したFK。ピッチ中央、ゴールまで約20mの距離から椛澤が直接狙ったキックは、右ポストの内側を叩いてゴールネットへ転がり込みます。7番のレフティが得意の左足で一仕事。たちまち点差は1点に縮まりました。
赤黒軍団が踏み込んだアクセル。50分には宮嵜が左へ振り分け、野中のクロスに萩原が合わせたヘディングはクロスバーの上へ外れるも、サイドアタックからフィニッシュまで。51分に大野祥司監督は鈴木涼介(3年・クラブ与野)と江藤惇裕(2年・坂戸ディプロマッツ)を入れ替えると、52分には椛澤の右FKに再び飛び込んだ萩原のヘディングは枠の右へ。57分は駒澤に2人目の交替。萩原と青山慎二(3年・三菱養和調布JY)をスイッチして、ピッチに滲ませる同点への意欲。
「前半と一緒に簡単にやろうとしたんですけど押し込まれてしまった」と今野も口にした関東第一は、59分に重田が左サイドを突破して中へ折り返すも、篠原のミドルは大舘が丁寧にキャッチ。61分には駒澤も椛澤が枠の右へ逸れるシュートを打ちましたが、63分に村井が約25mのFKをゴール左へ外すと、66分にも今野が鋭い出足でカットした流れから、村井のリターンを受けてミドルを枠の上へ。少しずつ手数は取り戻したものの、点差を広げるまでには至りません。
68分は駒澤に3人目の交替。宮嵜に替えて秋元樹(3年・SCH)を最前線へ送り込み、江藤と並べて狙う次のゴール。69分には江藤がミドルレンジから積極的なシュートをクロスバーの上へ。72分には自らの仕掛けで得た左CKを、秋元が蹴り込むもDFがクリア。73分は関東第一に1人目の交替。村井を下げて、長谷川絢矢(3年・VIVAIO船橋)をピッチへ投入すると、74分には決定機。山脇の左FKに篠原が合わせたヘディングはGKを破りましたが、カバーに入っていたDFがライン上でスーパークリア。スコアは1-2のままで、残り時間は10分間とアディショナルタイムへ。
古宇田と安原宝(2年・TACサルヴァトーレ)をスイッチした2人目の交替を挟み、82分のチャンスは関東第一。今野のパスから小関が狙ったミドルは枠の上へ。83分も関東第一。篠原を起点に今野が左へはたき、安原が枠へ収めたシュートは大舘がキャッチ。85分は駒澤に絶好の同点機。野中の左ロングスローがゴール前に混戦を生み出し、秋元が押し込んだボールはゴール方向へ向かったものの、ここはカバーに戻った嶋林がライン上で決死のクリア。駒澤は85分に三浦と稲井宏樹(2年・FC駒沢)も入れ替えて最後の勝負へ。好ゲームもいよいよクライマックス。
そんな中で86分に生まれたゴールは追加点。篠原が左へ振り分けたボールを、重田は切れ味鋭い突破から中央へリターン。ここに走り込んでいた篠原のシュートは、DFに当たってコースを変えながらゴール右スミへ吸い込まれます。「ラッキーだったと思います」と話しながらも、「去年の経験を生かさないとチームが強くならないので、強い意識を持ってやろうとしている」と言い切った"新10番"が貴重な一発。最終盤に関東第一がリードを2点に広げました。
89分に関東第一は小野凌弥(3年・Wings U-15)を、90分に駒澤は細川竜征(2年・Forza'02)を、90+3分に再び関東第一は加藤陽介(2年・VIVAIO船橋)を相次いで送り込み、迎えたアディショナルタイム。90+4分のラストチャンスは駒澤。右から椛澤が蹴り入れたCKを、最後は秋元がシュートまで持ち込むも、1試合を通じて集中力の高かった関東第一のセンターバック関口聖人(2年・フレンドリー)が体でブロックすると、程なくして吹き鳴らされたファイナルホイッスル。「後半は辛い時間が続いたんですけど、センターバックを中心に守れていたので良かったと思います」と篠原も話した関東第一が、粘り強く勝ち点3を引き寄せる結果となりました。


これで3勝2敗と白星を先行させた形で関東大会予選へと臨むことになった関東第一。「去年の先輩方が選手権とインハイに出たので、それはもう絶対に出たいですけど、関東大会予選をまず1つ目の大会として勝つことは絶対ですし、もっとチームで練習から強度を上げていければいいと思います」と今野も話した通り、その先のタイトルへと続く意味でも重要な関東大会予選へ、勢いを持って向かえる90分間を過ごせたのではないでしょうか。「今年の1年は我慢強いチームにしたいです。選手権の時みたいに、最後に残りちょっとで2点取られて負けるみたいなことはもう経験したくないので、初めからしっかり飛ばしていって、ゲームを組み立てて、最後にしっかり守れるチームにしたいです」と語ったのは篠原。新生・関東第一の今シーズンも非常に楽しみです。      土屋

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