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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

マッチレビュー 2016年10月29日

J1-2nd第16節 湘南×甲府マッチレビュー

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J1-2nd第16節 
湘南ベルマーレ×ヴァンフォーレ甲府@Shonan BMWスタジアム平塚
解説:林健太郎 実況:八塚浩 インタビュアー:安田美香


【湘南ベルマーレ 曺貴裁監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:まず今日の試合を振り返って一言いただけますでしょうか?


A:甲府さんとやる時は本当にロースコアな試合が多くて、我慢し切れずに最後はカウンターでやられるという展開が多かったんですけど、今日試合前に話したのは、もう何回跳ね返されても同じことを続けてやっていけば必ず穴が開くので、そこの所を突こうと。たまたまセットプレーから入りましたけど、選手たちは非常に戦術も理解してやってくれたと思いますし、何より降格の決まったこの週に、前向きになるのも難しいような状況で、馬入のピッチで練習していた選手を見ると、本当に胸が痛む想いでしたけど、それを振り切って今日のピッチに立って、サポーターのために勝ち点3を目指してくれた彼らの姿勢は素晴らしかったと思いますし、セカンドステージはホーム初勝利ですけど、本当に遅過ぎましたけれども、何の価値もない勝ちではなかったと自分では思っています。


Q:今日の立ち上がりは長谷川選手が真ん中で、ゼロトップ気味にも見えたのですが、そのあたりはどのような狙いをお持ちだったのでしょうか?


A:甲府さんがあの堅いブロックを作ってくる中で、少しパワーを使って相手を押し込んでいかなくてはいけないという所で、自分たちの長いボールをジネイに入れて、その次のボールでブロックに穴を作りたかったという所で、アーリアや(山田)直輝もそうですけど真ん中から飛び出したり、下がって来たりができるので、そこは狙いとしてはありました。


Q:前半35分くらいから4バックへ変えましたが、その意図も伺って良いですか?


A:システムの噛み合わせで、3バックがオーバーラップすると攻め残っている選手にちょっと引っ掛けられる状況があったので、もう後ろは5枚じゃなくて4枚で守って、前の方に基点をたくさん創った方が得点を取れるということと、切り替えてボールに行きやすいなという感じがあったので、それも考えていて選手には言っていたので、スムーズに入れたかなと思っています。


Q:そこからリズムが非常に良くなっていったように見えたのですが、手応えはいかがでしたか?


A:システムを変えたことが結果的にはそうなったかもしれないですけど、もしかしたら悪い方向に行く可能性もあるので、別にシステムを変えたことで流れが変わったとは思っていないですけど、1つそこを助けることはできたかなと。ただ、湘南のスタイルというのは別にシステムで語られるものではないですし、ゴールを守るのではなくて相手のボールを奪いに行って、横じゃなくて縦を優先させるというのはずっとやってきたので、そこに関しては選手もどのシステムでもしっかり対応してやってくれたと思います。


Q:後半決勝点をもぎ取ったFKでしたが、10月の中断期間にミニキャンプをして、改めて攻撃面で湘南らしく前に出ていくことというのをトレーニングされてきましたけど、その成果が前節から出てきているのではないでしょうか?


A:「時すでに遅し」みたいな感じはありますけど、我々は試合がラストの3試合だからって、手を抜いて違うことをやるチームではないので、さらに今年のチームを強くするために、この前で言うと3試合ですけど、残り1試合と天皇杯に向かって、最後の最後まで諦めないでやっていくというのが、自分たちが決めてやってきたことなので、それは貫いてやっていきたいですし、今日とか大宮戦でたくさん攻撃パターンが出たというのは、1つ選手も自信にしてもらいたいなと思います。


Q:曺監督はコーチ時代も含めますと、3度の昇格と3度の降格を経験されることになります。数え切れないほどの悔しさと喜びと苦しみを、誰よりも長く湘南の選手たちと共にされてきました。まだ1試合ありますけど、ここ平塚でのゲームは今季最後となります。今ご自身の今後について、率直にどのようなお気持ちでいらっしゃいますか?


A:今年の降格は過去2回の降格よりも、去年1年J1でやって、2シーズン連続でやった中での降格なので、非常に悔しいというか、すべての人に申し訳ないなと思っていますし、脱力感で力が抜けているのを入れるのに、何も考えないで入れるのは難しいような状況でしたけど、選手が僕にパワーをくれたし、何より今日来てくれたサポーターに選手を後押ししてもらったし、今年はこういう結果に終わってしまったけど、ピッチに立った全員に感謝しないといけないなと思っています。


Q:次はアウェイでの最終節になります。抱負をお願いします。


A:名古屋さんも残留を争っているチームという中で、本当に今日の甲府さんと心情は同じだと思うんですけど、今日と同じように相手に対して向かって行って、勝ち点3が取れるように準備していきたいと思います。


【ヴァンフォーレ甲府 佐久間悟監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:まず今日のゲームを振り返って一言いただけますでしょうか?


A:今日は何が何でも勝ち点3を取りたい試合だったんですけど、結果的に勝ち点3を取れず、本当に残念な試合でした。


Q:今日は前から来る湘南に対して、どんなことをポイントにされていたのでしょうか?


A:ボランチの脇をうまく、田中選手とドゥドゥで攻略をして、前から来る部分に関しては、少しロングボールを使いながら回避しようということでしたけども、湘南さんは最後まで本当に粘り強く戦われて、今日は私たちがうまくいかなかったんじゃないかなと思っています。


Q:先発からドゥドゥ選手を起用されていて、後半からという選択肢もあったとは思いますが、そのあたりはどんな狙いがあったのか、もう少し詳しく教えていただけますか?


A:これはもう先取点を取って、そのままゲームを終わらせたいということだけだったので、70分を過ぎると湘南さんは少しペースダウンするという所があって、そこで効果的にカードを切って行った方が良いかなと思いましたけど、今日は結果的に最後にゲームが終わってみると、やっぱりウチも70分過ぎにちょっとエネルギーがなかったので、私の考えたプランは必ずしもうまくいかなかったんじゃないかなと。それだけやはり結果にも現れてしまったので、非常に残念です。


Q:良い意味で硬くなる必要のなくなった湘南の勢いというのは警戒されていたと思いますが、そのあたりはいかがだったでしょうか?


A:湘南さんは本当に選手もマジメですし、曺監督が素晴らしいチームをお作りになっているので、どういう状況でも一生懸命頑張るというチームですし、降格したからどうのこうのということではなく、今日は湘南さんが素晴らしいファイティングスピリットをお見せになったんじゃないかなと思います。


Q:次はJ1残留が懸かる大きなゲームになります。最終節に向けて抱負をお願いします。


A:もう私たちは得失点差のアドバンテージもありませんし、非常に厳しいシーズンの連続というか、今シーズンを象徴するように34試合目まで残留も決まらなかったので、あと数日間ですけれども努力して、あとは天命を待つじゃないですけど、そんなようなことをしていきたいなと思っています。


【湘南ベルマーレ 三竿雄斗インタビュー(試合後・中継内)】
Q:メンタル的にもとても難しい1週間だったと思いますが、今日はまずどんな思いでゲームに入られましたか?


A:前節降格が決まってしまったんですけど、自分たちがやることは変わらないし、どんな状況だろうと試合になったらもうやるだけなので、いつも以上に強い気持ちを持って、みんなゲームに入れたと思います。


Q:その想いがまさにホーム最終戦でサポーターに勝利を届けましたね。


A:そうですね。セカンドステージはまだホームで勝っていなかったので、本当に難しいシーズンになってしまいましたが、今日勝てたのは凄く大きいかなと思います。


Q:0-0で後半に入り、69分での三竿選手のゴールが決勝点となりました。得点シーンを振り返って下さい。


A:ゴールに向かって左側の位置というのは良いイメージを持っていますし、この中断期間の間でも良い感覚でFKは蹴れているので、自信を持って思い切り蹴りました。


Q:左足でサイドネットを揺らす、本当に見事なゴールでしたよね?


A:本当に練習の成果が出たかなと思います。


Q:今季は副キャプテンとしても背負ってきたものが大きかったと思いますが、その責任の重さはいかがでしたか?


A:今シーズンは副キャプテンをやらせてもらって、自分は凄く覚悟を持って臨んだんですけど、なかなか結果が出なくて、何よりも悔しいシーズンになってしまったかなと思います・


Q:今日はホーム最終戦で、1万人を超える多くのサポーターが詰め掛けてくれました。最後にサポーターへメッセージをお願いします。


A:降格が決まってしまったのに、これだけたくさんのサポーターの来ていただいて本当に感謝しています。本当に最後まで応援していただいてありがとうございました。


【湘南ベルマーレ 梶川裕嗣インタビュー(試合後・中継内)】
Q:今日はリーグ戦初出場を果たしました。今のお気持ちを聞かせて下さい。


A:前節で降格が決まってしまったんですけど、これだけ多くのサポーターの方が来てくれて絶対勝ちたかったので、勝てて良かったです。


Q:今季はケガもありましたが、そういう時期はどんな想いで外からご覧になっていたのでしょうか?


A:結果はなかなか出ないですけど、練習では凄く良い形ができていましたし、今日僕が出た時に練習でやっていたことをそのまま出そうと思ってやったので、そのままできて良かったです。


Q:今日は最後のホームゲームでしたが、しっかりとサポーターに勝利を届けましたね。


A:そうですね。僕は今日はあまり何もしていないんですけど、みんなが頑張ってくれたので勝てて良かったです。今度は僕がしっかり力になれるように頑張っていきたいです。


Q:甲府は強烈なブラジル人コンビを先発起用してきましたけど、しっかりと完封勝利となりましたね。


A:そうですね。さっきも言ったんですけど、ディフェンスのみんなが頑張ってくれて、シュートも全然来なかったので、ディフェンスの人に感謝しています。


Q:最後にサポーターにメッセージをお願いします。


A:今日は勝ちましたし、次にリーグ戦最後の試合があるので、それもみんなで全力で勝ちに行きたいと思うので、応援宜しくお願いします。


【林健太郎氏のレビュー】
(湘南)
前半は甲府のカウンターも何回か出掛けていたので
そこは湘南がハーフタイムに上手く修正したと思います。
山田が入ってから流れが良くなったというか
アグレッシブさが出てきましたよね。
まずホームでなかなか勝てなかったということで
引っ掛かっていたモノはあったと思うので
そういう意味でも大きな勝利だったと思います。


シーズンのスタートを考えると主力がごっそり抜かれた訳で
曺監督はもちろんそんなことは一言も言わなかったですけど
そこは大きかったと思います。
当然曺監督も残るか残らないかという部分もありましたし
核を抜かれた中でそこからスタートして
チームを新たに創っていくことの難しさというのは感じましたね。


少し結果が出ない中で自信を失い掛けたかなと。
その自信のなさが思い切りやアグレッシブさの
なさに繋がって良い所が出なかったなと
特にセカンドステージの連敗中の頃はそれを感じました。
僕も経験しましたけど、降格してしまうチームというのは
上手くいかない部分が少しでもあって
自信を失ってというその悪循環になったら
なかなか抜け出せなくなってしまうんですよね。
まさにそういう流れだったかなと思います。


年間の得点数を見ても、そういう部分の課題があった中で
点を取るということはサッカーの中で
一番難しいことだと僕は思いますし
だからストライカーの価値が高い訳じゃないですか。
年間15点や20点取れる選手を連れて来られれば問題ないですけど
湘南はそういうチームではない訳で
そういう中でどうやって攻撃して点を取っていくかという所で
人数を掛けたり切り替えを速くしたりして
何とか点を取りに行こうとしていましたけど
チャンスの数はそこそこ創っている中で
今日みたいにラストパスとか最後のシュートの部分は
質という意味で少し足りなかったかなと。
ただ、そこで決め切れれば当然昨年のような順位にいられる訳ですし
そこをどう改善していくかというのは今シーズンも残っていますし
来年のJ2でのポイントかなと思いますね。


当然スポーツですから勝ち負けというのはある中で
こうやって1つのスタイルを築き上げて
それを継続していくというのは凄く大事なことだと思うので
そういうモノを持っているこのチームが
トップリーグからいなくなるというのは残念ですけど
また成長して、スタイルをより強固なものにして
戻ってきて欲しいなと思います。
勝った負けたと同じくらい
これからも応援したいなと思ってもらえることは大事だと思うので
これを続けていって欲しいですね。


(甲府)
佐久間監督のインタビューを見ても
もう切り替えている感じがありましたよね。
昨シーズンまで守備が結構安定していて
そこでJ1に残れているという部分があったにもかかわらず
2014年はリーグで2番目に失点が少なかったのに
今年は少し失点が増えてしまいましたよね。
なおかつ先に点を取られてしまうと
なかなか勝ち点を取れないという状況が続いるので
ここまで残留が決まらなかったのもうなずけますよね。


甲府も次の試合で引き分けると
当然抜かれてしまう可能性がありますから
残り10分くらいで他会場の結果を気にしながら
どう終わらせるかに掛かってきますから。


やっぱり鍵を握るのは攻撃の部分ですね、
ドゥドゥとダヴィに頼り過ぎている部分があると思うので
そこを最終節にどうするかだと思います。
1年間トータルで見ると先に点を取られると
キツいかなという内容が続いていますね。
今日もそうでしたけど、そのあたりでもう一度来週の試合を
どう戦うかというのは再確認する必要があるでしょう。


【Jリーグブログ的データ】
J1-2nd第16節@Shonan BMWスタジアム平塚
湘南ベルマーレ 1-0 ヴァンフォーレ甲府

入場者数:11,883人 天候:曇、弱風
気温:21.0度 湿度:61%
主審:家本政明
副審:唐紙学志、西橋勲
第4の審判員:吉田寿光


《得点者》
<湘南>
69'三竿雄斗②(FK)


《選手寸評》
(湘南)
GK梶川裕嗣
守備機会はほとんどなかったが、落ち着いてリーグデビューを完封で飾る
DF岡本拓也
対人の強さが生きる展開の中で、1試合を通じて安定感を保ち続けた
DFアンドレ・バイア
ダヴィにはほとんど仕事をさせず。際どいシーンでの力強さが目立った
DF島村毅
前半途中からはサイドバックに。攻撃は自重しつつサイドにきっちり蓋
MF奈良輪雄太
サイドバックでもウイングバックでもとにかく走り切れる運動量は貴重
MF石川俊輝
ダヴィと一触即発のシーンを生み出すなど90分間ハードに戦い切った
MF三竿雄斗
値千金の決勝FKは、UCLの中村俊輔を彷彿とさせるゴラッソ
MF菊池大介
逆サイドまでカバーする献身性の代償に最終節は出場停止
(→78' MF菊地俊介)
とうとうBMWに帰還。クローザー起用にしっかり応えるパフォーマンス
FW高山薫
驚異的なハードワークを質に繋げるのはここから先の重要な課題
(→55' FW山田直輝)
一気にチームへスイッチを入れた。高い位置で奪い取ってチャンスを連続創出
FW長谷川アーリアジャスール
前半からロストも多く、なかなか中央で基点になり切れなかった
(→89' MF藤田征也)
シビアな展開での投入に、短い時間でも指揮官の信頼が窺える
FWジネイ
ややラフなボールが多かった前半も競り合いの勝率はフィフティ以下だった


《選手寸評》
(甲府)
GK河田晃兵
唯一の失点となったFKはノーチャンス。守備機会自体がほとんどなかった
DF土屋征夫
際どい浮き球はことごとく弾き返す。終盤は最前線で勝ち点への執念を前面に
DF山本英臣
ジネイにも高さで十分対抗。相変わらずの存在感でチームを牽引した
DF津田琢磨
入れ替わる3トップをきっちり監視。さらされるシーンは多くなかった
MF松橋優
菊池大介との引っ張り合いはやや劣勢。サイドでボールを落ち着かせたかった
(→78' FW河本明人)
サイドでのドリブルは小さくない可能性を感じさせる切れ味があった
MF新井涼平
最終盤のチャンスは準備不足だったか。シュート数はチーム最多タイの2本
MFマルキーニョス・パラナ
厳しいコンディションの中、守備面でやれることはやり切った印象
(→69' MF保坂一成)
前節の決勝ゴールに似た形のボレーは枠を捉え切れなかった
MF橋爪勇樹
渾身のFKはクロスバーに阻まれる。セットプレーのキックは高精度を誇った
MF田中佑昌
シャドーとウイングバックをこなしたものの、攻撃での貢献度は物足りない
MFドゥドゥ
カウンター時も単騎で行く回数が多く、なかなかチャンスを創出できなかった
FWダヴィ
エリア内には潜ったが、シュートを打ち切る体のキレを欠いた印象も
(→83' MF黒木聖仁)
ビハインドでの最後のカードなら、もっと前への意欲を打ち出したい


再放送スケジュールは
11月1日(火)深夜0:00~深夜3:00 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!


土屋

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