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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

マッチレビュー 2016年07月23日

J1-2nd第5節 広島×神戸マッチレビュー

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J1-2nd第5節 
サンフレッチェ広島×ヴィッセル神戸@エディオンスタジアム広島
解説:玉乃淳 実況:西岡明彦 インタビュアー:君﨑滋


【サンフレッチェ広島 森保一監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:今日の試合というのは、この1週間は「3試合で9失点」「3試合で9失点」と耳にタコができるくらい言われ続けたと思いますが、今日は見事な完封勝利になりましたね。


A:そうですね。常に失点していても、各試合に臨む時には「無失点でやっていこう」ということでやっていて、なかなかそれができなかった所で、今日は選手がしっかりゼロに抑える所は抑えて、得点を奪うということを両方とも良くやってくれたと思います。多くのチャンスを創り出せたと思いますし、それで守備が軽減されたという所もありますし、バトルする所はバトルして、組織で守る所は組織で粘り強く守ってという所で、攻撃でも守備でもゼロに抑えるべく、良いプレーをしてくれたと思います。


Q:前半最後の良いタイミングでゴールも決まりましたが、あのまま前半は0-0で行っても、広島にとっては良いペースになるのかなと思っていました。監督はどのように感じてらっしゃいましたか?


A:すべてが勝利できると思って試合はしていますし、たとえ前半の一番最後にあの"ウタ"の得点が決まらなかったとしても、前半は非常にボールを動かしながら多くのチャンスを創れていたので、後半も良い形で臨めるのかなと思っていました。最後にアタッキングサードの所で決め切ることができれば、試合を動かすことはできるかなと思っていたので、結果論ですけど前半の最後の得点がなくても、必ず勝てたという風に思っています。ただし、あそこの"ウタ"の得点は、我々が後半に臨むに当たっては非常に心強い得点になったと思いますし、相手にとってはダメージになった得点だったと思っています。


Q:今日の試合の前に清水選手も「ゴールに絡むよりも、まずは失点ゼロを心掛けたい」という話をしていましたし、千葉選手も宮原選手もチャンスがあれば攻め上がっていました。あのへんも非常に頼もしかったのではないですか?


A:そうですね。攻守にとにかく全員関わっていこうということで、失点ゼロに抑えるために全員が守備をして、攻撃になればボールが動いた時にどこで自分が関われるのか、勇気を持ってアクションを起こすということを、選手が良くやってくれたと思います。


Q:そして終盤に青山選手が復帰して、ゴールにはなりませんでしたが、あのスタジアムの盛り上がりも凄かったですね。


A:そうですね。あそこで決まっていればさらにスタジアムのボルテージは上がっていたと思いますけど、そういうチャンスを創り出せたのも、今日エディオンスタジアムに駆け付けて下さったサポーターの皆さんがいたからこそで、選手が2-0でリードしてからも苦しい戦いの中、走ることができたと思いますし、戦うことができたと思いますし、最後まで応援して下さるサポーターの皆さんにゴールをもう1つ届けようということで、選手は頑張ってくれたと思います。サポーターの皆さんに感謝したいと思います。


Q:次節のガンバ戦も大事ですが、その次のホームゲームは8月6日。広島にとっては特別な日ですね。


A:そうですね。まずは平和があるからこそ、我々がサッカーをできる、好きなことをできるということ、その想いを持ってまずはピッチで試合をしたいと思います。そして、8月6日の特別な試合にピッチとスタジアムが一体となって、ここエディオンスタジアムから平和を発信できればという風に思います。


【ヴィッセル神戸 ネルシーニョ監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:今日は難しいゲームになってしまいましたが、どのあたりが難しくしてしまった理由でしょうか?


A:相手の広島さんは今主力が何人か欠けている状況とはいえ、力があるチームと対戦するということで、我々も準備をしてきたんですけど、前半だけではなく試合を通して我々のチームがちょっと消極的にボールを動かすということに終始してしまったかなと思います。もうちょっと相手のディフェンスラインの背後を脅かすとか、そういうランニングも必要だったと思いますけど、どうしても横パスが増えたり、ボールをもらう側ももらう側で楽な所でボールをもらおうとばかりしていましたから、広島さんが引いて組織を組んで守備というやり方だったんですけど、ちょっとそこに穴を開けていくための縦パス、斜めのパスを入れることや、前線の選手の動き出しの質で攻撃のボリュームを出すために背後へ抜けるとか、相手のディフェンスラインを押し下げるとか、そういう動きがなかったと思います。


Q:監督の様子を拝見していますと、決定機を外した時よりも、そこに至る過程の方で選手に対して指示を出されているように感じましたが、それは今お話になったようなことが要因ということでしょうか?


A:特に前半は我々のボールを奪われる位置が、中盤の非常に中途半端な位置で奪われると。前線の選手が引いてきて、そこでコントロールミスで奪われたりしていたので、もうちょっと高い位置でボールを収めたり、前線でのポゼッションというのがあれば良かったなという前半だったんですけど、その点が足りなかったので、そういう所は前半から指示を出していました。


Q:レアンドロ選手を残すか、ペドロ・ジュニオール選手を残すかというのは難しい選択だったと思うんですけど、ペドロ・ジュニオール選手を残されたのはどうしてでしょうか?


A:あそこで前線の特徴を変えたいというのが1つあって、ペドロかレアンドロという所で、ペドロの方が関わっていましたし、レアンドロよりも動いていたという所で選びました。


Q:セカンドステージから新たに加入したニウトン選手にも注目が集まっていますが、今日のニウトン選手はいかがだったでしょうか?


A:まだまだ改善しなくてはいけないと思いますが、今日も少し順応してきたかなという一面を見せてくれました。


【サンフレッチェ広島 ピーター・ウタカインタビュー(試合後・中継内)】
Q:ナイスゴールでした。


A:ありがとうございます!


Q:前半は0-0で、あのまま行くのかと思ったのですが、良いタイミングで先制点が取れましたね。


A:非常に難しい試合ということで、あのタイミングで決められたということは、非常にチームにとって重要な得点だったのかなという風に思います。


Q:今日は4試合ぶりのゴールということになりましたが、なかなかゴールが取れないという印象もあったでしょうか?


A:自分自身もそうなんですけど、チームにとっても非常に厳しい時期だったのかなと思いますが、こうしてゴールを決めることができて良かったのかなと思います。


Q:今日は宮吉選手のゴールを演出することもできましたね。


A:宮吉選手は自分の動きというのを非常に理解してくれていると思うので、非常にわかりやすい動きで、そして素晴らしいフィニッシュを決めることができたのかなという風に思います。


Q:そして今日は久しぶりに完封勝利ということで、これでまたチームも波に乗って行けるのではないですか?


A:これまでもディフェンダー陣は非常に頑張って、ハードワークしてきたということで、今日クリーンシート、無失点に抑えることができて良かったのかなと思います。


【玉乃淳氏のレビュー】
(広島)
勝ちを早いタイミングで確信することなく
走り負けないこととか球際の強さの所も発揮されていましたし
この試合に関しては完勝と言えるのではないでしょうか。
不安視されていた清水と宮原もむしろ良かったと思いますし
臆することなく前からアプローチを掛けることができたと。
結構パッと最終ラインに入ると後ろに残ってしまうんですけど
人にしっかり付いて、最後までまとわりつくような
ディフェンスができていたので
ペドロもレアンドロもなかなか前を向くことができなかったですね。


ウタカ選手と通訳さんのコンビがいつも絶妙ですよね。
いつも思うんですけど、何か雰囲気も喋り方も似ていますし
通訳さんが憑依されているかのようなコンビが
いつもいいなと思いながら見ています。
彼がフィットしたのには色々な要素があると思いますよ。
サッカー以外にも笑顔だったり、おでんが好きとか。
やっぱりおでんが好きな外国人選手なんて
僕らも好きになるじゃないですか。「ありがとう!」って。
夏ですけどたぶん食べていると思いますよ。
ボールを持っている時に顔が上がるので
シュートの選択肢も、味方を使う選択肢もあるし、
切り返す余裕もあるし、右にも左にも行けるドリブルもあるので
なかなか止められないですよ。


2点目は丸谷のパスだったんですね。
彼はかなりサイドチェンジを意識した
大きなボールを蹴っていましたからね。
宮吉のシュートも相当難しいシュートですよ。
簡単なシュートではないです。
柏選手もあれだけ走っても全然ゼエゼエ言っていないんですよ。
アレはマジで不思議ですね。
柏、柴﨑、ウタカ、千葉あたりはいつも元気ですから。


森保監督のお話を伺うと、全員攻撃、全員守備という所で
前半の立ち上がりから大きな手応えがあったのではないでしょうか。
どことやっても今日のような戦い方ができれば
対等以上に戦えると思いますので
必要以上に下がることなく、攻撃に出て行く時は出て行くと。
「今のチームは点を取る自信がある」と
森﨑和幸選手のインタビューでもありましたが
ここの強みを生かして、また勝ち続けられると良いですよね。
ちょっとイメージが変わったというか、失点の所を言われがちですけど
どちらかと言ったら僕は得点を取れる所、逆転できる所、
複数点を連続して取れる所に惹かれますけどね。


苦しい台所事情であることは間違いないと思いますが
今日の試合をベースに毎試合複数得点を狙えるような形を創れれば
自然と勝ち星は積み上げられると思います。
補強を忘れさせるくらい今日はみんな良い働きをしていたので
さらに楽しみが増えましたね。


(神戸)
ニウトンも今日どういうプレーを見せてくれるのか
ずっと注目していたんですけど
単純な走力の所がまだまだかなという気がしました。
慣れるまでもう少し時間が掛かってしまうのかなと。
気候的には厳しいタイミングで加入しましたからね。


セットプレーは常に脅威になると思いますし
レアンドロがポストに当てた一連のカウンターは最高の形でした。
シュートの所で、もう一歩流れちゃいましたね。
キレキレのレアンドロだったら
腰がもう一ひねりできていたと思うんですよ。
前半から確かにそれほど調子が良くなかったですから。


ネルシーニョ監督も「消極的になってしまった」と。
それによってほとんどランニングがなく、裏への飛び出しもなく
横パスが続いたのは楽な方を選択した結果だとおっしゃっていましたね。
うまくハマってしまったと思います。
もっと速く攻撃したかったんでしょうし
この試合は前から守備にもっと行くべきだったんでしょうね。
ただ、ニウトンの今のコンディションや走力ではなかなか難しいと。
加えてペドロもレアンドロもより攻撃で生かしたいという所で
フルではディフェンスに使えなかったと。
今90分を終えて振り返ってみると
そこが徹底できていれば勝機があったのかなと。
相手に引かれてからは横パスが多くなってしまって
縦に行けないのが現実でしたからね。
戦略的なミスというよりは、その戦略を持っていたとしても
なかなかそれを具現化できないようなチーム状態に見えました。


今年もそうですけど、来シーズン以降も優勝争いをしなくては
いけないような選手も揃っていますし
とにかく全体のコンディションを上げて
チームの完成度を1つずつでも良いので高めて行って欲しいなと思います。


【Jリーグブログ的データ】
J1-2nd第5節@エディオンスタジアム広島
サンフレッチェ広島 2-0 ヴィッセル神戸

入場者数:12,310人 天候:晴、弱風
気温:27.6度 湿度:80%
主審:西村雄一
副審:越智新次、竹部陽介
第4の審判員:西村幹也


《得点者》
<広島>
45+1'ピーター・ウタカ⑮(アシスト:清水航平)
60'宮吉拓実③(アシスト:ピーター・ウタカ)


《選手寸評》
(広島)
GK林卓人
守備機会がほとんどなく、足下での繋ぎも危ない場面は皆無だった
DF宮原和也
終盤でも攻撃に顔を出す水準以上のパフォーマンス。無失点に大きく貢献
DF千葉和彦
経験の浅い2人を両脇に従えて安定感抜群。個人的には代表で見てみたい選手の1人
DF清水航平
見事に1アシスト。縦へ持ち出せる彼の特性を生かした森保監督の采配も光る
MFミキッチ
久々のスタメンもきっちりフル出場。足の落ちないアタックで橋本を押し込み続けた
MF森﨑和幸
後方のバランスを監視しながら全体をオーガナイズ。まさにマエストロ
(→79' MF青山敏弘)
復帰戦ゴールとは行かなかったものの、スタジアムは盛り上がった
MF丸谷拓也
積極的に受けて左右に散らす姿勢が2点目に繋がった
MF柏好文
チーム最多タイのシュート3本も、後半のチャンスは誰よりも本人が決めたかったはず
MF宮吉拓実
ホームでとうとう初ゴール。あのワンタッチゴールこそが彼の真骨頂
(→86' MF茶島雄介)
今の立ち位置を考えると短い時間でももう少しアピールしたかった所
MF柴﨑晃誠
いつもより決定機に絡む回数は少なく、前半のチャンスもシュートは浮いてしまった
FWピーター・ウタカ
圧巻の1ゴール1アシスト。彼を止める手立ては現状でほとんどない
(→84' MF皆川佑介)
ポストワークを含め、フィニッシュに絡む動きは格段に増えつつある


《選手寸評》
(神戸)
GKキム・スンギュ
キャッチとパンチングの使い分けが的確。失点は2つとも致し方ない
DF高橋峻希
いつものような上下動は制限されたが、セットプレーのキックは正確だった
DF北本久仁衛
1失点目はウタカに入れ替わられ、2失点目は宮吉に前へ入られた
DF伊野波雅彦
ウタカとのマッチアップは常に分が悪く、1失点目もフェイントに翻弄された
DF橋本和
オーバーラップの回数は少なくないが、クロスのタイミングを測り損ねた印象
MF小林成豪
ここ最近のアグレッシブさが鳴りを潜める。前半での交替もやむなし
(→46' MF松村亮)
ギャップに潜ろうという姿勢は見せたものの、もっと自身で仕掛けて欲しい
MF三原雅俊
バランスを保つ姿勢は見えるが、もっと攻撃面での貢献度を打ち出したい
(→69' MF藤田直之□)
ロングスローを含めたセットプレーを考えてもスタートから見たい気がするが...
MFニウトン
シュート5本は全て空砲。運動量とポジショニングはチームの穴にもなり得る
MF渡邉千真
サイドに張る時も中に入る時も周囲との連携がスムーズではなかった
FWペドロ・ジュニオール
前半からなかなか流れに乗り切れず、際どいシーンは創り出せなかった
FWレアンドロ
体のキレを欠いた印象。後半の決定機も腰が回り切らずに痛恨の枠外
(→66' FW石津大介)
固定されつつある前線に割って入るには得点という結果が欠かせない


再放送スケジュールは
7月28日(木)深夜0:30~深夜2:45 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!


土屋

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