J1第11節　
徳島ヴォルティス×ベガルタ仙台
@鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム
解説：玉乃淳　実況：西岡明彦　インタビュアー：中田浩光

【徳島ヴォルティス　小林伸二監督インタビュー（試合後・中継内）】
Q、まずは今日の90分を振り返って一言お願いします。

A、選手は前後半通してバックラインの裏を狙うというのは
凄くあったと思うんですよね。
いくつかチャンスだったり、前半はサイドを起点にしながら、
そこにちょっと絡むのが少なかったりとか、
今度はバイタルに入った時に孤立してしまうと。
あそこで少し攻撃に連動や絡む動きがあれば、
もう少し良かったのではないかなと思います。
点を取られて1点取りにいくような形になりますけど、
後半も15分以内に裏を取るというのは
津田が何回かやってくれたと思うので、
それはものすごく効果的だったと思います。
ただ、走るだけでは力が要るので、
少しボールを回せれば、今日は特に中3日でキツい試合なので
もう少し回せれば良いんですけど
どうしても前に強い2人がいるので
我々も期待するという所でいくと
そこに入れてセカンドを拾えなかったというのは
思った以上に推進力が上がらなかった感じがします。
アレックスも今日は出せたし、衛藤も良い働きをしてくれましたので、
勝てなかったですけど良い所をピックアップしながら、
中2日のガンバ戦に向けて準備をしていきたいと思います。

Q、今度は精神的な所をお聞きしたいのですが、
J1初勝利を前節で挙げて、選手が自信を付けた所や、
ノビノビやっているなというような、
あの勝ち点3をプラスにしているような所は
見られましたでしょうか？

A、そうですね、前半は特に縦の動きと
攻撃がやっぱりカウンターだけだったので
押し込んだ状態でトップもしくはサイドハーフが
どこに残っているかをCBとボランチがうまく連携できれば
もっとカウンターを受けなくて済んだと思います。
決して悪い前半ではなかったと思うんですよね。
そういう意味であの失点は痛かったなという感じがします。

Q、やはり先制して逃げるパターンが良いのでしょうか？

A、こういう厳しい時もそうですけど、
Jリーグの8割が先取点が勝利になっていますから、
そういう意味ではいかに先取点が大事かというのは
わかっていると思うんですね。
ちょっと追い付けそうで、取れそうでああいう形になったので、
勢いがあっただけにちょっと残念ですね。

【ベガルタ仙台　渡邉晋監督インタビュー（試合後・中継内）】
Q、アウェイで勝ち点3を取りました。
まず全体を振り返っていただけますか？

A、前節徳島さんが今季初勝利を挙げたということで、
勢いを持ってくるだろうといった所を受けずに、
逆にこちらが勢いを持って入っていこうという話をしました。
エンドも風上を取って仕掛けられた部分もありましたし、
その中で1点取れたことは良かったと思います。
後半ももう一度パワーを出して、
こちらが勢いを持っていこうといった所で
そこで追加点が奪えれば理想的な展開でしたけど、
本当に全体をコンパクトにしながら
ゼロで抑えられたという所が勝因に繋がったのかなと思っています。

Q、前回のゲームが終わった後、
「もっと攻撃のバリエーションを増やしていこう」という
お話もされていましたが、その点は中2日でしたけど
今日はどうでしたか？

A、実際やっぱり準備期間が短い中で、
もっともっと色々なアイデアというものに
トライできたんじゃないかなと思います。
少しボールを動かすテンポがゆっくりになってしまったり、
それはもっとサポートの動きを早くして、
ワンタッチだったりという所が入ってきたら良かったんですけど、
ただ、相手の嫌な所へのランニングといった所は
後半も含めて随所に見られていたので
またその辺をトライしていければなと思っています。

Q、今日は赤嶺選手がゴールを挙げましたが、
これで監督が起用して5試合で3ゴール。
結果を出していますね。

A、そうですね。
でも、たぶん他にもチャンスがあったと思うので、
彼自身ももっともっと取れるんじゃないかというような
悔しい想いをしていると思います。
やはりストライカーですから
点を取ることでまた調子を上げていってくれたらと思います。

Q、ゲームは終わったばかりですが、
これでまた中2日で仙台に帰ってのホームゲームです。
意気込みを聞かせて下さい。

A、今季はまだユアスタで勝ち点3を
サポーターへ届けられていないので、
是非それを達成しようと今選手にも話してきました。
また総力を挙げて、是非ホームで勝利を挙げたいと思います。

【玉乃淳氏のレビュー】
（徳島）
愛があるから言いますが、
この後半の攻撃スタイルでは点は取れませんね。
なぜなら、ピッチの中の選手たちが
偶発的な形での得点しかイメージができない、
特に1点奪われた時にどう攻めていくかが大事だと思いますので、
ゼロゼロだと我慢してワンチャンスをという想いはあるのですが、
どうしても決めなくてはいけない状況の時に、
チームとしてどういう形を持っておくかは
みんなで考えていきたいですね。
当然僕も上から見ていて探したんですが、
すぐにこうすればできるという問題ではなかったですから。

小林監督のインタビューも
まさに僕自身の振り返りと一緒でした。
あそこの攻撃の工夫が凄く難しい所なんですけど、
肉体的にシンドいと思いますが
気持ちをいかに切り替えられるかで
また次節の結果が変わってくると思います。

（仙台）
赤嶺は自然体な選手だなあと。
これだけ風が吹いて、カメラが回っている前で
髪型の乱れとか一切気にしなかったですからね。
自然な形で本能的にああいう完璧なプレーができるって、
うらやましくもあり、凄いなと思いました。
カッコイイですよね。人気出ますよね。
あれだけのハスキーボイスで、風を気にせず、
チームメイトには感謝し、非の打ち所がないですよね。

ホームでの勝ち点3もいよいよじゃないですか。
前への推進力は明らかに上がりましたし、
この試合で良い手応えを掴んだんじゃないかなと思います。
長くスプリントした選手を必ず使ってあげるという
本来の仙台のサッカーが今日は随所に見られたので、
これを毎試合続けていければなと。
次の試合ですよね。真価が問われまずよね。
前節は良くできた、今節も思い通りのサッカーができた、
いよいよじゃないですか。

本来の力さえ出せれば
どことやっても互角以上に戦えるチームであることを
近年立証し続けてきてますから、
自分たち次第ではないでしょうか。
あとは、渡邉監督の決断も素晴らしかったですよね。
元に戻して、それが強かった所に戻したわけですから、
それにプラスアルファを今後積み上げていければ、
さらなる進化が見られるんじゃないかと思うので、
戻すことが悪いということは1つもないですよね。

【Jリーグブログ的データ】
J1第11節
徳島ヴォルティス 0-1 ベガルタ仙台
入場者数：9,686人　天候：晴、強風
気温：24.0度　湿度：28%
主審：松尾一　副審：越智新次、平間亮　第4の審判員：渡辺智哉

《得点者》
＜仙台＞
40'赤嶺真吾③（アシスト：石川直樹）

《選手寸評》
＜徳島＞
GK長谷川徹...PKストップはパーフェクト。J1で自信を付けつつあるか
DF藤原広太朗...やはりチームの中では最も落ち着いている印象
DF福元洋平...前節より安定感アリ。あとは攻撃の起点として機能したい
DF橋内優也...インターセプトからのオーバーラップは1つの形に
DFリ・ヨンジ...トータルでは決して悪くない初スタメンだった
（→DFアレックス...久々の出場も推進力を上げるまでには至らず）
MF宮崎光平...気の効くプレーも見られたがチャンスには絡めず
（→MF衛藤裕...左サイドの突破は終盤のチームに光をもたらした）
MF濱田武...前半のFKはきっちり一山越したかった
MF斉藤大介...前回4バックで戦った新潟戦と比べると攻撃面は物足りない
MF大﨑淳矢...上下動のスプリントで貢献。点を取らせてあげたい
FW津田知宏...チャンスの数を考えるとあの決定機逸はあまりに痛恨
（→FWドウグラス...競り合いで負けるシーンも。機能したとは言い難い）
FW高崎寛之...調子の良さは継続もボックス内での仕事は限られていた

（仙台）
GK関憲太郎...安定感と存在感は日に日に増し続けている
DF菅井直樹...ようやく昨シーズンまでの積極性が帰ってきた
DF鎌田次郎...何回か裏を取られたものの大きな破綻はなし
DF角田誠...さすがのプレーを披露したがやはりボランチで見たい選手
DF石川直樹...アシスト時は良かったがそれ以外でのクロス精度を高めたい
MF太田吉彰...後半の厳しい時間帯には守備にもきっちり奔走した
（→MF八反田康平...移籍後リーグ戦初登場。時間を潰し切った）
MF富田晋伍...守備面が目立つが赤嶺に出したボレーパスも絶品
MF武井択也...出たらこのくらいはやる選手。真価の一端をしっかり見せた
MFリャン・ヨンギ...好調時に戻りつつあるが本領発揮とはいかず
（→MF佐々木勇人...今日は短時間だったが出場機会を結果に繋げたい）
FW武藤雄樹...左サイドへ開いた時には持ち味が。あとはゴールのみ
FW赤嶺真吾...ゴール時の一連はまさにストライカー。嗅覚が戻ってきたか
（→MF鈴木規郎...久々に強烈なノリカルFKを見てみたい所）

再放送スケジュールは
5月5日（月）午前4：30～午前6：45　J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい！

土屋