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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
FIFAワールドカップとUEFAチャンピオンズリーグ。
この世界を二分するサッカー界のビッグコンペティションと並んで、
"世界三大カップ"とも称されている「ちばぎんカップ」。
今年で20回目を迎えたジェフユナイテッド千葉と柏レイソルのダービーマッチですが、
ダービー自体は2010年にJ2で対戦したのを最後に
リーグ戦ではここ3年間開催がありません。
という事情もあって、両サポーターも非常に楽しみにしているであろうこの一戦。
今回はその試合前の一幕をご紹介したいと思います。
試合前からお互いにそれぞれのクラブの
チャントを歌い合っていた両サポーター。
すると、どこからともなく聞き慣れた曲が聞こえてきます。
「柏には~ 負けられな~い さあ行こう 勝利のために~」
これはダービーに際して、千葉サポーターが歌う曲。
近年ではこの大会でしか披露されることのない珠玉の一曲であり、
これを聞くと「今年も"ちばぎん"が来たな」という感じがあるのですが、
今年はどうも様子が違います。
だって、この曲が聞こえてきたのはフクアリのアウェイゴール裏。
つまり柏のサポーターが歌っちゃってたんですよ!
しかも"柏"は"柏"のままで珠玉の一曲をトリビュート(笑)
要はちょっとかまって欲しかったんだと思います(笑)
選手のアップが終わってから、
試合が始まるまでって結構時間ありますからね。
途中から「ジェフ千葉には~ 負けられな~い」に
歌詞もマイナーチェンジを図ったものの、
対岸の千葉サポーターはどこ吹く風。
「柏には~ 負けられな~い さあ行こう 勝利のために~」
普通に本来自らが歌うべき曲をお返しとばかりに力強く歌い、
「行くぞジェフユナイテッド いつどんな時も~
レイソルだけには~ 勝利つかもうぜ~」
とスムーズに別チャントのアナザーエディションへ移行します。
若干スベった感もある柏サポーターでしたが、求愛行動は続きます。
おそらく何とかして千葉サポーターに反応して欲しかったんでしょう。
あろうことか"おもちゃのチャチャチャ"を歌い出し、相手の出方を窺います。
それに対して千葉サポーターは... 歌うわけないだろ!(笑)
「お前らもやってみろ~」という理不尽な怒号も飛び交う
アウェイゴール裏以外のスタジアムを包んだおかしな沈黙。
諦められないんですね。
次に柏サポーターがヤケクソ気味に歌い出したのは
「野球す~るなら、こういう具合にしなしゃんせ~
アウト!セーフ!ヨヨイのヨイ!」
まさかの"野球拳"。アウトはお前らだ!!(笑)
最初は黙殺していた千葉サポーターでしたが、
しばらくして沸き上がったコールは「もう1回!もう1回!」。
アンコールを受けて、素直な柏サポーターは全力の"野球拳"で応えます。
まるで2週間の限られた命を燃やし尽くす晩夏の蝉のように...
これに対する千葉サポーターのリアクションは「ブ~」。
巻き起こるブーイング。アンコールしたくせに!
究極のツンデレ(笑)
さすがの柏サポーターも万策尽きたかと思われた瞬間、
ホームゴール裏から聞こえてきたのは
「野球す~るなら、こういう具合にしなしゃんせ~
アウト!セーフ!ヨヨイのヨイ」。
こんなことが!
この一連の流れからこんな瞬間が訪れようとは...
感動的な光景でした。想いは通じるんですね!
外から見ている限りは、
たぶんこんな感じだったんじゃないかなあと。
そのままドキュメントにしたいくらいの
ストーリー性に溢れた一連を演出した、
どちらのサポーターにも最大限のリスペクトを表したいと思います。
20回目を数えるちばぎんカップを彩った
両サポーターの心温まる交流。
改めてこの大会から私は"諦めない"気持ちの大切さを
学ばせてもらいました。
※一部大袈裟な表現や若干の想像が入っており、
事実誤認の可能性もある面はご容赦下さい。
土屋
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